オリックス・中嶋監督 (C)Kyodo News

◆ 打線が沈黙し完封負け

　パ・リーグのクライマックスシリーズ第3戦はオリックスが完封負け。同ステージの対戦成績は3勝1敗（優勝アドバンテージ含む）となった。

　先発の田嶋大樹は初回、先頭の三森大貴に二塁打を許すと、続く周東佑京の投前バントを一塁へ悪送球。この間に二走・三森の生還を許した。さらに一死三塁で、4番・デスパイネに中前適時打を許し2失点目。自らのミス絡みで相手に主導権を渡してしまった。

　2回以降は立ち直り、一死三塁だった5回は2番・周東のスクイズを封じ結果的に3人斬り。しかし7回、8番・野村勇に右越えソロを浴び、7回途中7安打3失点で降板した。

　打線はソフトバンク先発・千賀滉大の前に沈黙。2回から5回まで4イニング連続で3者凡退に封じられた。千賀が緊急降板した7回に一死二、三塁の好機を作ったが、このステージ絶好調の6番・杉本裕太郎が三ゴロに倒れたあと、続く頓宮裕真は遊飛。3点を追う9回も一死一、二塁と一発出れば同点の好機を作ったが、最後は杉本が二ゴロ併殺に倒れた。

　14日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した田尾安志氏は、7回に一死一塁で西野真弘が右中間を破る二塁打を打った場面について「これは仕方ないことなんですけど。4番を打っている吉田正尚の足ですね。7回にランナー一塁で西野が完全に右中間を破るんですよね。これは楽にホームに還ってこれるかなと思ったんですが…これで還れないのはちょっとさびしいですよね」と言及。

「それで二・三塁という形になって杉本のサードゴロなんですけど、（ソフトバンクの）内野陣は3点リードしているので内野ゴロでも1点はいいという守りでここでもホームを突けなかった。普通のランナーであればあそこは走っていたと思います」と語り、「ここで1点を取っておけば（その後の展開も）違ったかなと思いました。吉田は代えられない選手なので仕方ないとは思いますが見ていて気になりましたね」と、点を取れる時に取れなかったことが相手を楽にしてしまったと指摘した。

　番組MCを務めた真中満氏も「吉田選手の足の状態は僕らには分からないところなんですが、（西野の打球に）柳田も背中を向けて追っていましたのでもっといいスタートを切れたかなと思いましたね」と同調した。

　吉田正はCSの3試合で10打数5安打1本塁打と4番としてチームをけん引する活躍を見せているが、昨季終盤と今年の5月に左足大腿部を負傷しており走塁面では不安を抱えている。


☆協力：フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』