【ソフトバンク】千賀滉大、エースの意地7回途中無失点、両足つり降板も救援陣0封リレー…大逆転日本Sへ1勝

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2022.10.15(土) 06:15

ヒーローインタビュー後、笑顔でガッツポーズする千賀滉大(カメラ・岩崎 龍一)

◆パーソル クライマックスシリーズ パ 最終S第3戦 オリックス0―3ソフトバンク(14日・京セラドーム大阪)

 パ・リーグCS最終S第3戦はソフトバンクがオリックスを下し、対戦成績を1勝3敗(アドバンテージ含む)とした。無失点の好投を見せていた先発・千賀滉大投手(29)が7回途中降板したが、その後をリリーフ陣がしのいで完封リレー。初回に敵失などで2点を先制し、7回に野村勇内野手(25)がCS球団新人初アーチをマークした。第4戦はオリックスは山岡泰輔投手(27)、ソフトバンクは和田毅投手(41)が先発する。

 土壇場で千賀がエースの意地を示した。アドバンテージを含め、0勝3敗の第3戦に先発。6回終了時点で両足がつり、7回先頭の中川圭に右前打を許したところで降板したが、6回0/3を3安打無失点でCS通算4勝目をつかんだ。「少し緊張していたんですけど、明日の先発投手(和田)にもこの緊張感を味わってもらおうと思って、絶対回してやろうと思ってました」といたずらっぽく笑った。

 負けた瞬間に終戦となる大一番。「昨日の夜、『明日先発やな』と思いながら過ごしたのはすごい久しぶりでした」。それでも、最速161キロの直球を軸に2~5回は1人の走者も出さず、好調の吉田正、杉本を完全に封じ込めた。この日ネット裏では米3球団が視察。今オフのメジャー移籍が視野に入る右腕にとっては、日本“ラス投”になる可能性もあるが、第6戦までもつれた場合はリリーフ待機する予定で「もう少し頑張りたい」と誓った。

 今まで自分の投球に満足したことはないという。この日のような好投も、19年に無安打無得点を達成した試合も、千賀にとっては通過点でしかない。「自分を褒めることがないので。評価というのは他人からのものであって、いい投球をしても、その次ダメだったら『ダメだな、アイツ』と言われてしまう世界。良かろうが悪かろうが、次に向けて準備するだけです」。究極の負けず嫌いを自負する男に「妥協」の文字は一切見当たらない。

 CS最終Sで0勝3敗から日本シリーズに進出した例はなく、データ上では突破確率0%。チームは千賀から4人の必勝継投で完封リレーを完成させた。7回1死二、三塁のピンチも松本が切り抜け、藤本監督は「負けたら今季終わりやからね。みんないい開き直りでできてるんじゃないかな」と目を細めた。王者の勢いを止めたエースの投球が“奇跡の日本一”への第一歩だ。(中村 晃大)

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