オリックス・能見「最後じゃないで!俺はまだ」ポストシーズンも投手陣の一員
ベースボールキング
- ニュース
2022.10.1(土) 06:44
引退試合で代名詞のワインドアップを披露したオリックス・能見篤史
○ オリックス 4x ― 3 ロッテ ●<25回戦・京セラD大阪>
今季限りでの引退を表明したオリックスの能見篤史投手兼任コーチは、9月30日のロッテ戦で引退記念登板。試合後の引退セレモニーではファンにあいさつした。
能見は2-2の同点で迎えた8回にマウンドへ。安田尚憲を空振り三振に斬ると、中嶋聡監督が自らマウンドに出向いて交代を告げた。
試合後に行われたセレモニーでは、同じく今季限りで引退する中日・福留孝介や、新井貴浩氏、藤川球児氏といった阪神時代にゆかりがあった盟友たちからビデオメッセージ。また、サプライズ登場した鳥谷敬氏から花束を受け取った。
スタンドマイクを前に臨んだスピーチでは、「(記憶が)飛びましたので紙を出します」と、球場の笑いを誘うハプニングもあったが、家族や関係者、ファンへの感謝を述べ、最後はチームメイトともに場内を一周した。
◆「ボールがお辞儀した。あんな感じかな」
セレモニーを終え、インタビュースペースに現れると開口一番「最後じゃないで!俺はまだ」と釘を刺した能見。
1点を争う試合終盤、緊迫の展開での登板となったが、「割とそこまで緊張しなくて、本当に優しい拍手をいただいて、自然と入れた感じ」とファンにも背中を押されてマウンドへ。
久々に披露した“代名詞”でもあるワインドアップモーションは、「練習してたんですけど、イマイチなんかどう投げたらいいのか?まああんな感じかな」と、マウンド上で感触を確かめながらの投球となった。
「初球しっかり投げようと思って投げたら、凄く引っ掛けたので。ちょっと感覚のズレと、四球だけは(出したくない)というところで、真っ直ぐ投げたんですけど、なぜか最後だけ指にかからなくて、ボールがお辞儀したんで。まあまあやっぱりなという感じです」
引退発表会見で口にしていた「やりきった」という思いは、登板とスピーチを終えても変わらず、「涙も出ないし記憶ぶっ飛ぶし。それはそれで僕らしいかな」と振り返った。
オリックス球団への感謝の思いも口にしつつ、「兼任コーチですし、チームの半分がコロナになるかもしれないんでね。投げる投げないは別にして準備しなきゃいけない」と、あらためてポストシーズンも変わらずチームの一員として戦い抜く姿勢を示した。
取材・文=どら増田