【オリックス】宮城大弥がラストスパート「優勝したいし、連覇もしたい」 朗希世代には「僕もいるよ」

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2022.9.27(火) 06:00

笑顔でキャッチボールをする宮城大弥。チームの愛されキャラが優勝に向けてラストスパート(カメラ・義村 治子)

 パ・リーグ連覇を目指すオリックスで宮城大弥投手(21)の働きを見過ごすことはできない。絶対エース・山本由伸投手(24)と先発ローテーションの軸を開幕から担い、ここまで2年連続の2ケタ、11勝をマーク。新人王に輝いた昨年から立ち止まることなく前進を続ける3年目左腕が、ラストスパートにかける思いを打ち明けた。(取材・構成=長田 亨、玉寄 穂波)

■初完投&初完封 5月11日時点で首位に11・5ゲーム離されていた昨年の覇者・オリックス。地道に白星を積み重ねて最多7あった借金を完済し、最終盤までソフトバンクと熾烈(しれつ)な優勝争いを繰り広げている。

 「まずはチームのために一生懸命頑張りたいです。優勝したいし、連覇もしたい。僕としては先発の仕事をして、それがチームの勝利となって、勝ち星が付いてきてくれれば、もっとうれしい」

 謙虚な一言一言に宮城の成長が表れる。高卒2年目の昨年は13勝(4敗)を挙げ、25年ぶりのリーグVに貢献。新人王にも輝いた。今季も4月下旬から自身5連勝と順調に滑り出したが、6月下旬から5戦3敗と勝ち星に見放された。

 「去年のことは、全く忘れようとしています。去年はガムシャラにやらせてもらいましたけど、今年はそこまで…と思っています。どうしても去年と比較されてしまう中で、一生懸命にやっても結果が出た試合、出なかった試合もたくさんありますので。何かきっかけになればいいかな…と。今もそれを探しながらやっている感じです」

 7月13日のソフトバンク戦(ペイペイD)でプロ初完投。8月27日の西武戦(京セラD)では待望の初完封勝利を挙げた。

 「先発投手はやはり完投、完封。長いイニングを投げられているという部分では、去年との違いを感じています。全試合1人で投げたいですけど、そこまでの実力はありません。やっと、完封のチャンスがもらえたのが西武戦でした。どうしても投げたかったので、ベンチで高山(投手)コーチをガッツリ見ていました。『お願いします!』という感じで、ずっと目で訴えかけていました(笑い)」

■初の月間MVP 8月は4戦3勝1敗、防御率1・14の好成績。月間MVPを初受賞した。9月4日のロッテ戦(ZOZO)で2年連続10勝をマーク。初の中5日登板となった同18日のソフトバンク戦(京セラD)は5回無失点で11勝目を手にした。

 「いい投手は中5日で回ったりするしやってみたかったので。どちらかというと間隔が空くよりかはうれしかったです。でも一つ負けたら(優勝争いが)怪しい状況だったし、なおさら緊張しましたけど…」

 佐々木朗(ロッテ)や奥川(ヤクルト)と同年代だが、勝ち頭として世代の先頭を走っている。

 「世代で言えば佐々木朗希だと思います。スーパースターですから。僕は陰ながら応援するタイプだし(世代を)引っ張るとかはできません。それは彼や奥川に任せて…。実はもう1人、『宮城もいるよ』みたいな感じで。そういう雰囲気だと思うので(笑い)」

■WBC少し欲も 来年3月には6年ぶりにWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が開催される。少しだけ、欲も芽生えている。

 「U15、18と日本代表でプレーさせていただきました。また違ったしんどさがあったり、背負うものも大きくなるでしょうけど、選んでいただければ、国のために一生懸命頑張りたいと思います。僕にはまだ早い可能性もありますけど…」

 苦しい時期、能見投手兼任コーチの助言が支えになった。

 「投げやりになるな、と言われました。若い僕がそういうことをしていたら示しがつかないので。失点してもしなくても、状況に応じてできることは一生懸命に表現する。“初心”につながることなんだと思います」

 22歳年上の大先輩は今季限りで現役を引退する。出会って2年。初対面では「何でもどうぞ」と優しく目線を下げてくれた。一番の恩返しは優勝だ。

 「左投手として成功している方なので、技や駆け引き、打者との勝負、いろいろな話を聞き、学びに行きました。寂しくはなりましたけど、(引退は)いつか来るので、(今後)しっかり結果として見ていただければうれしいかなと思います」

 ◆宮城 大弥(みやぎ・ひろや)2001年8月25日、沖縄・宜野湾市生まれ。21歳。少年野球「志真志ドラゴンズ」、中学は「宜野湾ポニーズ」でプレー。興南高では甲子園に2度出場し、U18日本代表に選出。19年ドラフト1位でオリックス入団。171センチ、78キロ。左投左打。独身。推定年俸5000万円。

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