【ソフトバンク】大関友久、精巣がん手術から57日ぶり1軍登板で2回0封「皆さんに感謝しています」

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2022.9.26(月) 06:40

力投する3番手・大関友久(カメラ・石田 順平)

◆パ・リーグ ソフトバンク10―0ロッテ(25日・福岡ペイペイドーム)

 耳をつんざく歓声が心地良かった。9回2死二塁。ソフトバンク・大関友久投手(24)はロッテ・三木をフォークで遊ゴロに抑え、最後を締めくくった。「思ったよりも早く戻ってこられた。スタッフ、首脳陣の皆さんに感謝しています」。左精巣がんの摘出手術を乗り越え、57日ぶりの1軍登板で2回を2安打無失点。マジックを5に減らしたホークスに頼もしい男が帰ってきた。

 10点リードの8回からマウンドに上がり、先頭・中村奨の初球にいきなり150キロを計測。3人で抑えてベンチに戻ると、首脳陣から「もう1イニングいけるか」と問われ「いかせてください」と即答した。藤本監督は「気持ちよく2回いってくれた。残り試合はロングリリーフの可能性もある。ジーンと来たね」と胸を熱くした。

 前半戦に6勝を挙げ、球宴の先発も経験。だが、病気を告知された時は目の前が真っ暗になった。「ショックというより、正直怖かった」。藤本監督に電話をもらい、王会長からもメッセージが届いた。「先が見えず悩んだり、考えすぎたり。人と話したくなっていた」。病室でモヤモヤしている時は、家族や地元・茨城の知人が長電話にもつき合ってくれた。

 チームは2試合連続の完封勝利で、試合のなかった2位・オリックスに0・5ゲーム差をつけた。打線も3発を含む10安打10得点の爆発。「10―0でも緊張したし、僅差だったらと考えると余計に気が引き締まった。球威も球の質もまだまだ上げられる」。試練を乗り越えたサウスポーがリーグVの使者となる。(表 洋介)

 ◆大関 友久(おおぜき・ともひさ)1997年12月14日、茨城・土浦市生まれ。24歳。土浦湖北高では1年秋からエースも甲子園出場なし。仙台大を経て2019年育成ドラフト2位でソフトバンク入団。昨年5月に支配下登録され、12試合に登板(勝敗なし)。今季は開幕ローテ入りし、離脱するまで2完封を含む6勝6敗。今季19試合、防御率2.95。185センチ、94キロ。左投左打。年俸1100万円(推定)。独身。

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