オリックス・宗佑磨「苦しかった」ミスの責任痛感しながらサヨナラ打

ベースボールキング

  • ニュース

2022.9.20(火) 14:42

殊勲の宗佑磨と称える中嶋聡監督 (C) Kyodo News

◆ 「野球って助け合いのスポーツなんだな」

 オリックスの宗佑磨が19日のソフトバンク戦(京セラD大阪)で、延長10回二死満塁の場面でセンターへサヨナラ打を放ち、逆転優勝に望みを残す大きな1勝を手繰り寄せた。

 宗は4回の守備で本塁へ悪送球し、逆転を許すキッカケとなる適時失策を犯した。中嶋聡監督も「明らかなミスですからね。それを自分で取り返そうと思ってたと思うんですけど、最後の最後にこういうことがあるんですね」と驚くサヨナラ打だった。

 試合後、ベンチ裏に帰って来た宗は、開口一番「疲れましたね」と言うと、「とりあえず、長かった。でも、マジで回ってくると思ってました最後!絶対。そんな感じでしたもん、ずっと、だから余計、苦しかったですね」と、プレッシャーに押し潰されそうになりながら打席へ入っていたことを明かした。

 10回無死満塁から二死満塁になって回って来た打席だったが、「ピッチャーもピンチだったもんで、どんどんストライクが欲しいところだと思いますし、ストライク来たところはしっかり自分のスイングをかけて、レイ投手もいつもより真っすぐが速いような感覚が、見ていてしたので。ちょっとポイントを自分の中で調整しながら、前に何とか飛ばそうと思って、事を起こそうと思って、それだけ考えていました」と話した。

 打球がセンター前へ抜けた瞬間は「いや、もう叫びすぎて。結構今日声出してたんですよ。エラーしたし、いろいろあったんで。とりあえず声出さないと負けると思って、ずっとベンチの前にいて声出したりとかいろいろしていて。叫びすぎて喉が痛いです。ヘルメットを叩きつけたのは興奮以外の何物でもない」と振り返った。

 4回の悪送球と9回のバント失敗については「僕が下手くそなだけなんで、練習するしかないですね。僕の技術がないだけです」と話し、勝利の瞬間からヒーローインタビューまで涙で目が潤んだことには「泣き虫なんで、しょうがないですね」と宗の魅力でもある人間味溢れる姿を見せていた。

 激動の天王山3戦目を勝利という形で終えたことにより、思うところもあったようで「いろいろなことがあるのが野球だし、人生だと思うので。今しかこういう経験はやっているうちしかできないし、良くないことも後々には繋がってくると思うので、そういうところも勉強して、毎試合毎試合勉強だと思ってますんで。そういうところをしっかり、次に繋げられるように、また練習していきたいなと思ってます」と、さらなる成長を誓った。

 「本当にいろんな人に助けられて、最後に僕だけ持っていっちゃったみたいな感じになりましたけど。けど、そういうのがひとつでも欠けていたら、最後ああいうのなかったと思うので、野球って助け合いのスポーツなんだなと思いましたね」と話す宗の言葉からは“ファミリー”のようなチームへの愛も感じた。

 レギュラーシーズンは残り6試合。3連勝でひと息つく間もなく、20日はZOZOマリンでロッテと対戦する。

 「全力でそこは戦っていくだけです。目の前誰もが必死に1アウトとか三振を取りにいっていると思うので、そういうところで気持ちで負けないように、また明日から頑張りたいなと思います」

 成長した宗が攻守に渡り活躍してくれることを期待したい。全ては連覇に向かって。


取材・文=どら増田

記事提供:

ベースボールキング