【西武】内海哲也、引退試合5球全て直球「決して速くない真っすぐも本格派左腕と言い聞かせ直球生かす練習してきた」
スポーツ報知
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2022.9.20(火) 05:30
◆パ・リーグ 西武―楽天(19日・ベルーナドーム)
今季限りで現役を引退する西武の内海哲也投手兼任コーチ(40)が、19日の楽天戦(ベルーナD)で最後の登板に臨んだ。打者1人限定で先発し、山崎を5球全て直球勝負で二ゴロに打ち取った。登板前には記者会見を行い、「やり切ったという思いでいっぱい」と実感を込めた。
最後まで己の信念を貫いた。引退会見で内海は誇らしげに言った。「決して速くない真っすぐでしたけど、本格派左腕と自分に言い聞かせて真っすぐを生かせるような練習をしてきたつもりです」。その集大成を最後のマウンドで披露した。
山崎への初球。古賀のサインに首を振った。「打たれてもいいから、変化球でボールになるよりは直球で勝負したかった」。大きく振りかぶって投げ込んだ137キロは内角低めに外れたが、2球目以降もすべて直球勝負。5球目、この日最速の139キロ外角直球で二ゴロに仕留めると、大きな拍手の中、スタンドへ深々と一礼してベンチへと戻った。
東京ガスから祖父・五十雄さんもプレーした巨人に入団。セレモニーでは「入団会見の時、亡き祖父を思い出すかのようにユニホームに手を触れ、涙を流した祖母の姿は今でも忘れられません」と回想した。そこから巨人在籍15年で133勝。「レベルの高さに圧倒され無理かもしれないと思った時期もありましたが、あきらめず泥臭く、自分らしく頑張ってきました」。その姿勢は西武移籍後も変わらなかった。4年間で2勝。今季も5試合で0勝1敗に終わったが、残したものは大きい。
「こだわりは誰よりも早く来て、誰よりも練習するということ」。移籍後も巨人時代のルーチンは変わらない。その背中を年下の投手たちは見ていた。今季、自身最多の10勝を挙げた与座は春先、内海にもらったアドバイスを胸に刻んでいる。「『最後まで頑張ってやってくれたら、今2軍にいるメンバーも頑張れる、しっかりついてくるんだ』と、見本になる、ということを言っていただけました」。試合にはベンチ入り以外の選手も駆けつけ、最後の雄姿を目に焼きつけた。
グラウンド内外の貢献度を評価され、球団からは専任コーチ就任を要請されている。「若い頃からがむしゃらに練習し、今も変わらず19年間、やり抜いたつもりです。練習はうそをつきません。僕も最後の最後まで準備します」。現役の内海から後輩たちに送るラストメッセージだ。(秋本 正己)
◆内海 哲也(うつみ・てつや)1982年4月29日、京都府生まれ。40歳。敦賀気比高から東京ガスを経て、2003年ドラフト自由獲得枠で巨人入団。11年から2年連続最多勝。18年に炭谷のFA移籍に伴う人的補償で西武に移籍。昨オフから兼任投手コーチ。186センチ、92キロ。左投左打。
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