昨季は二軍で打率.157 → 今季は.283 ロッテ・西川僚祐が明かす打撃好調の要因

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2022.9.17(土) 10:30

ロッテの西川僚祐

◆ 8月のファーム月間MVP

 「シーズンのはじめに比べて、1試合、1試合ヒットを打つことができている。いいタイミングだったり、いい感覚でボールを捉えられているなという気持ちはあります」。

 ロッテの西川僚祐は、8月全17試合に出場し、リーグトップの打率.386、27安打、長打率.629、リーグ2位タイの14打点、リーグ3位タイの3本塁打の活躍で8月度のスカパー!ファーム月間MVP賞を受賞。8月30日のヤクルト戦から現在9試合連続安打中で、打率はリーグ2位の.283だ。

 今ファームで一番ホッと選手ではあるが、プロ1年目の昨季は76試合・216打席に立って打率.157、今季も開幕から23打席連続無安打、4月終了時点の打率は.133(60-8)だった。

 「去年は打てないのが1年続いて、どうしても打てるようになりたいと思っていろいろ試していました。自分はもともと足をあげて打つタイプなので、今年はそれ一本で練習から続けていけば、いい感覚をつかめるなと」。

 「いろんなことを試すのではなくて、まずは自分がこういうバッティングだというのを一つ固めることができれば、次に追い込まれてからノーステップだったりとかあるので、これだと見つけるためにまずは足をあげておもいっきり振るということを意識しています」。

 昨年はすり足気味で打つことが多かったが、今季は左足をしっかりあげて打つようにしたことで結果も出てきた。


◆「タイミングをとって打ちにいけている」

 昨季はタイミングがうまく取れていない印象を受けたが、今季は自分の間合いで打てているように見える。

 「一番はタイミング、ボールとしっかり距離をとって、タイミングをとってしっかり打ちにいけているのが大きいと思います」。

 タイミングがしっかり取れるようになった要因については「試合前の打撃練習からしっかりと試合を意識して、おもいっきり強く振れているということが理由だと思います」と説明した。

 西川のなかで打撃の軸が「だんだん決まってきているなと感じています」と話す。「去年いろいろなことを試して、やっと今年おもいっきり振るというのが一番いい形で試合に入れるのかなと、しっかりそれが決まってきたなと思います」と手応えを掴む。


◆ 反対方向への安打

 ここ最近はセンターから反対方向への安打が増えている。

 「アウトコースの高めの球をライト前に打つというのはあったんですけど、ジャイアンツ戦のひたちなかとジャイアンツ球場で打ったライト線の二塁打というのは自分のなかで外の球を逆方向に飛ばすことができたなという感覚があります」。

西川が“良い感覚”で打てたと話していたのが、9月3日の巨人戦の4回に堀田賢慎が投じた外角141キロのストレートをライトへはじき返した二塁打、9月4日の巨人戦の10回に戸田懐生から放ったライトへの二塁打だ。

 9月6日の西武戦でも、左の浜屋将太から外角のストレートを逆らわずにライト前に安打を放っている。

 試合前の打撃練習でも「引っ張りもありますけど、ピッチャーの方にしっかり踏み込んでセンターの方に、ボールを潰すイメージで飛ばすということを意識しています」とのことだ。


◆ 打席内での表情に自信

 結果が出るようになったことで打席内での表情も、1年目に比べて自信が感じられる。

 「自分のタイミングで外のボールも内のボールもしっかりタイミングが取れているので、あとは自分が待つボールを一発で捉えるだけ。そこに関して自信は去年より、打席の中での余裕であったりというのは違うと思います」。

 また、西川が打席に立つと打ちそうだなという雰囲気もでてきた。

 ただ本人は「左足をあげたときに、右足が決まらない時がある。いいタイミングで捉えられているときは、右足一本で立つことができている。(右足一本で)立つことができていないときは、バットが遠回りしたり、自分で見ていてしっくりくる、これだという感じがない。確率よくできれば打席の中でも狙い球であったり、真っすぐをしっかり打ちにいくぞという、一発で捉えることができるのかなと思います」と課題点、それを克服するために必要なことを自身のなかできっちりと整理ができている。

 連覇を目指すロッテ二軍は、現在首位・楽天に2.5差の2位。中心選手として活躍する西川は残り試合に向けて「今はクリーンアップを打たせてもらうことが多くなってきて、チャンスで回ってきたら打つことであったり、得点に絡んで、勝ちに貢献できるような打撃、守備、走塁、とにかく勝ちにつながるプレーができたらいいなと思います」と誓った。将来の大砲候補は、安打、そして本塁打を放つため、バットを振っていく。

取材・文=岩下雄太

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