◆パ・リーグ　オリックス３X―２日本ハム＝延長１２回＝（１５日・京セラドーム大阪）

　中嶋監督は正直な思いを吐露した。「（延長）１２回まで来て、勝てたことがすべてですかね」。守護神・平野佳が９回に追いつかれ、あと２死で２試合連続のドロー。２位の現状で、引き分けは痛恨だった。だが、勝負手が決まり、今季４度目のサヨナラ勝ち。ソフトバンクに２ゲーム差で食らいついた。

　延長１２回１死二塁。捕手の若月を代打に送った。打率３割１厘、得点圏打率４割３分３厘と今季好調な打撃にかけた。「いつもは代打を出される側が多かったので、自分が行くのが新鮮な気持ちでした」。前進守備の右翼手の頭上を越える二塁打。伏兵がプロ９年目で初のサヨナラ打を放った。

　８回２死満塁でも、正遊撃手の紅林に代えた西野が左前へ勝ち越し打。代打で今季１０打数６安打の集中力にかけた。２５年ぶりに優勝した昨年から「ナカジマジック」と呼ばれてきた神采配が発揮された。

　２試合連続の延長１２回でリリーフ陣はのべ１４人を投入した。だが、中嶋監督はキッパリ。「勝負どころなんで、思い切って行きます」とフル回転を指令した。残り１０試合。「絶対に後悔してほしくない。思い切ってやってほしい」とナインに熱く訴えかけた。ソフトバンクに優勝マジックが初点灯したが、総力戦で追う。（長田　亨）

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