【オリックス】能見篤史、引退を決断 通算104勝 現役最年長投手が18年の現役生活に別れ

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2022.9.15(木) 06:00

引退を決断した能見

 オリックス・能見篤史投手兼任コーチ(43)が今季限りで現役を引退することが14日、分かった。この日までに引退を申し入れ、球団も了承。近日中に発表される。コーチ兼任2年目、現役最年長投手として迎えた今季は1軍で4試合の登板。阪神で16年、オリックスで2年プレーし、通算104勝をマーク。13年にはWBC日本代表にも選出された左腕がマウンドを降りる。

 能見が18年間の現役生活に区切りをつけた。阪神から移籍2年目の今季は4試合に登板し、0勝0敗、防御率2・70。8月3日の西武戦(ベルーナD)を最後に1軍登板は遠ざかり、今月上旬に中嶋監督らに意思を伝えた。

 大阪ガスから04年の自由獲得枠で阪神に入団。プロ4年間でわずか10勝。しかし、5年目の09年に能力が開花した。初の10勝をクリアし、キャリア最多の13勝。「一番強い相手。抑えると自信になるし、倒したい気持ちは強い」と当時、特に燃えていたのが巨人戦だった。8試合で4勝(2敗)した09年から11年にかけ、球団タイ記録となるG戦8連勝。現役ではヤクルト・石川の33勝に次ぐ2位の通算22勝を挙げ、キラーぶりを発揮した。

 エースとして開幕投手3度、5度の2ケタ勝利をマークも、誠実で控えめな人柄は変わらなかった。唯一のタイトルは12年の最多奪三振。最終戦に先発し、初回に2三振を奪って降板した。「すごい投手ですから。僕は並べただけで十分ですよ…」。巨人・杉内と並ぶ172奪三振。単独での獲得より、1学年下の左腕に敬意を払うことを優先した。

 後年はリリーフを務め、18年には39歳で自身初、球団最年長でのセーブを記録。自由契約を経て、コーチ兼任で移籍したオリックスでも輝きを放った。昨年5月2日のソフトバンク戦(京セラD)では史上初の40歳以上での複数球団セーブをマークするなど26試合に登板し、25年ぶりのリーグ優勝に貢献した。

 後輩選手から敬われ、慕われた。「絶対に投げやりにはなるな」と助言を守る宮城は2年連続2ケタ勝利を挙げ、8月には初の月間MVPを受賞した。昨年の右肘手術から復活した山岡にも「僕は能見さんがいないとダメです」と頼りにされた。今後については流動的だが、球団は人間性や指導力、有形無形の貢献を高く評価。引退セレモニーを用意し、改めて専任投手コーチを打診する方針だ。

 ◆能見 篤史(のうみ・あつし)1979年5月28日、兵庫県生まれ。43歳。鳥取城北高から大阪ガスを経て、2004年ドラフトの自由獲得枠で阪神入団。12年に最多奪三振のタイトル獲得。20年オフに阪神を退団し、投手コーチ兼任でオリックスへ。13年の第3回WBCで日本代表。通算成績は473試合で104勝93敗4セーブ56ホールド、防御率3・35。180センチ、74キロ。左投左打。年俸4500万円。既婚。

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