ロッテ、前日の敗戦を引きずることなく勝利 気合の入った投球、走塁、守備が目立つ

ベースボールキング

  • ニュース

2022.9.12(月) 21:38

ロッテ・荻野貴司 (C)Kyodo News

○ ロッテ 3 - 0 日本ハム ●
<18回戦・ZOZOマリン>

 前日にリードしながら手痛い逆転負けを喫したロッテだが、前日の嫌な流れを引きずることなく3-0で勝利した。

 初回先発・鈴木昭汰が連打で無死一、二塁のピンチを招いたが、松本剛を三併、近藤健介を三ゴロに打ち取り、無失点に抑えたことで攻撃にもリズムができた。

 その裏、先頭の荻野貴司が日本ハム先発・加藤貴之が投じたスライダーをライトへ放つと、ライトが後ろに逸らす間に俊足を飛ばして一気に三塁を陥れた(記録は三塁打)。続く髙部瑛斗が加藤の初球をセンター前にはじき返し、わずか3球で先制した。

 荻野の三塁打が得点に結びついたように2点目、3点目も“1つ先の塁を狙った走塁が”活きた。

 3回は先頭の荻野が四球で出塁すると、続く髙部のライト前の安打で一塁走者の荻野は三塁へ進み、続く中村奨吾のセンターへのフライで生還。2-0の4回は一死一塁から佐藤都志也が放ったセンター後方のフライで、センターの捕球体勢を見て一塁走者の角中勝也が二塁へタッチアップ。続く茶谷健太のレフト前の安打で角中は3点目のホームを踏んだ。

 この試合に限らず、日頃から“1つ先の塁を狙う”姿勢が得点に繋がり、そして勝利に結びついた。

◆ 伝わる勝利への執念

 投げては先発・鈴木がストレートを中心にした攻めの投球で7回途中無失点の好投。3-0の7回無死満塁でマウンドに上がった東條大樹は、今川優馬を三併打、清宮幸太郎を二ゴロに打ち取り、満塁のピンチを無失点で切り抜けた。

 8回は連投中の唐川侑己がベンチ外だったため西野勇士が登板。石井一成にレフト前に運ばれたが、きっちりとスコアボードに0を入れ、9回はオスナが試合を締めた。

 残り試合を考えれば、リーグ優勝、CS進出に向けて、今後も負けられない戦いが続く。

 そのなかで、鈴木の初回無死一、二塁のピンチを無失点、荻野、角中の1つ先の塁を狙う走塁、東條が無死満塁からゼロに抑える好リリーフ、髙部瑛斗が打っては先制打、走っては2盗塁、守っても5回に清宮幸太郎がセンター後方に放った当たりをジャンピングキャッチ、安田尚憲も8回に宇佐見真吾が放ったファウルフライに三塁ベンチを怖れることなくスライディングキャッチと、勝利への執念、まだまだ諦めていないという気迫が伝わるプレーが目立った。

 ヒーローインタビューに登場した東條は「残り少ないですけど、全部勝つつもりで、全部投げるつもりで、いきたいと思います」と意気込んだ。残りは16試合、“あの時に勝っていれば”というのは、シーズンが終わってから振り返ればいい。今は目の前の試合、勝利しようと必死に戦う選手たちとともに熱く戦うべきではないだろうか。

文=岩下雄太

記事提供:

ベースボールキング