【楽天】岸孝之、逆転Vキーマン37歳が意地の8回2失点8勝目 通算150勝王手

スポーツ報知

  • ニュース

2022.9.12(月) 06:20

9回を締めた松井裕(手前)からウィニングボールを受け取る岸(左は石井監督=カメラ・頓所 美代子)

◆パ・リーグ 楽天3―2ロッテ(11日・楽天生命パーク)

 大混戦のパ・リーグは2位のソフトバンクが首位のオリックスに勝ち、1日で首位を奪還した。4位の楽天は岸孝之投手(37)が8回2失点の力投で逆転勝利を呼び込み、首位に2・5差。上位4チームが2・5差にひしめく中、楽天担当・長井毅記者は、逆転Vには残り17試合でベテランの働きが欠かせないと「見た」。

 シーズン終盤を迎えるにあたり、ベテランの執念が乗り移ったゲームが増えてきた。8日のソフトバンク戦(ペイペイD)で右手中指骨折から復帰した36歳の涌井が勝ち、後輩に負けじとチーム投手陣最年長、37歳の岸が意地を見せた。

 0―2の8回2死。チェンジアップで高部を空振り三振に仕留め、ベンチへと下がった。「最近勝てていなかったので、何とか自分でこのゲームをものにしたかった。1人で投げきるつもりだった? もちろんです」と試合後の口調には熱がこもっていた。

 岸の熱投に応えるように、8回の裏に劇的な一発が飛び出した。1死二、三塁で小深田の打球が右翼席に入るのを見届けると、ベンチに座っていた背番号11は両手を突き上げた。クール・ガイがここまで感情を爆発させたシーンが印象的だった。自身4連敗中で、チームも連敗なら優勝が遠のく一戦だけに、この日の登板に懸けていた思いが伝わってきた。

 4回に2失点したが、その後はテンポのよい投球で3者凡退は計6度。8回97球の省エネ投球が攻撃にリズムを生み、通算149個目の白星をゲットした。西武時代から互いを熟知する2歳下の炭谷の好リードにも支えられ、荻野、高部の1、2番コンビを無安打に封じた点も勝利の大きな要因だった。

 12日からはオリックス、ソフトバンク、西武の順に上位決戦が待つ。「下から追い掛ける者は、上にいて追い掛けられる者よりも強い」とは炭谷の言葉。9年ぶりの頂点へ、ベテランたちの存在が大きなカギとなりそうだ。(楽天担当・長井 毅)

 ◆史上4人目

 松井裕(楽)が今季30セーブ目。これで15~17年、19年に次いで自身5度目のシーズン30セーブ以上だ。5度以上記録した投手は、9度で最多の岩瀬仁紀(中)に次ぎ、サファテ(広1、ソ4)、山崎康晃(D)の5度と並び4人目。パでは小林雅英(ロ)、武田久(日)、前記サファテの4度を抜く最多回数となった。

関連ニュース

【楽天】田中将大、日本球界自己ワースト10敗目「言葉になりません」
【楽天】育成1位・宮森智志がデビューから18戦連続無失点のパ・リーグ記録達成
【楽天】石井一久監督、49歳の抱負「最高の笑顔を出せるように戦っていきたい」
【楽天】FA取得の田中将大と浅村栄斗へ残留オファー 石井一久GM兼監督「球団には必要な選手」
【楽天】涌井秀章、右手中指複雑骨折から復帰登板で自力V消滅危機救った…6回2失点4か月ぶり4勝

記事提供:

スポーツ報知