◆パ・リーグ　ロッテ０―１オリックス（２日・ＺＯＺＯマリン）

　中嶋監督は照れ隠しに必死だった。「俺がいたらもっと負けてたと思うから、良かったです」。新型コロナウイルス陽性判定から９日ぶりに復帰。佐々木朗を揺さぶり、１―０の完封勝利で再出発した。

　怪物右腕とは過去３戦３敗で、ＺＯＺＯでは完全試合を喫した４月１０日以来の対戦。その難敵に対し、初回、福田と中川圭が連続で初球をセーフティーバント。アウトになったが、３番・吉田正と４番・頓宮を除く７人が、１打席目はファーストストライクまでバントの構えをした。「前の試合は正攻法で完全試合。（バント策が）成功したかといえば『？』だけど、何とか打破していきたかった」と水本ヘッドコーチ。５回は先頭の頓宮がユニホームをかすめる死球で出塁し、１死一、三塁で伏見が低めのスライダーを必死に転がして遊ゴロ。泥くさく１点をもぎとった。

　指揮官不在の６試合を３勝３敗で踏ん張り、復帰初戦で佐々木朗から今季初白星。首位に１ゲーム差は８月１日以来の接近だ。貯金も今季最多タイの６。中嶋監督は「競っている中で、みんなが生き生きと野球をやってるのは非常にうれしい」とうなずいた。５回２安打だった山崎福から山崎颯にスイッチする継投も決まって無失点リレー。３日は山本が中７日で先発する。中嶋監督に試合前、「夏休み明けですか？」と“復帰祝い”のジョークを飛ばしたエースが、逆転連覇に勢いをつける。（長田　亨）

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