ロッテ、理想的な試合運びで4連勝!勝負所で“ZOZOマリン・オリックス”に敗れた悔しさを晴らせ!
ベースボールキング
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2022.9.2(金) 10:22
ロッテ・井上晴哉 (C)Kyodo News
● ソフトバンク 0 - 7 ロッテ ○<20回戦・PayPayドーム>
ロッテは9月最初のゲームとなった1日のソフトバンク戦に7-0で勝利。連勝を4に伸ばし、首位とのゲーム差も5に縮めた。
理想的な試合運びだった。2回に井上晴哉の第4号ソロで先制すると、3回には中村奨吾の適時打、井上晴哉の2点適時二塁打で3点を加えた。特に二死一、三塁で井上が三塁線を破った当たりで三塁走者の髙部に続き、一塁走者の山口航輝が一気にホームインしたのも、4回以降ソフトバンク先発・レイから1本も安打を放てなかったことを考えると、非常に大きな“3点目”だった。
先発・美馬学もソフトバンク打線を4回まで1安打に抑え、5回に安打と四球で一死一、二塁のピンチを作ったが、三森大貴、野村勇を連続三振。100球が見えてきた6回をわずか12球で三者凡退、続く7回もマウンドに上がり増田珠に三塁打を許したが無失点で切り抜け、7回を投げ無失点という投球内容だった。
4-0の8回は東條大樹が先頭の三森に12球粘られながらも見逃し三振に仕留めると、野村勇を空振り三振、明石健志を一ゴロに打ち取った。9回の攻撃は簡単に二死となったが、荻野貴司がレフトへの二塁打で出塁すると、続く髙部瑛斗の浅いレフト前への当たりで、二塁走者の荻野はスピードを緩めることなく三塁ベースを蹴り、5点目のホームを踏んだ。さらに中村がレフトへ第10号となる2ランで試合を決めた。
7-0となったことで、勝ちパターンに近い役割の投手を温存することができ、9回に登板した廣畑敦也も無失点に抑えて試合を締めた。ロッテは序盤に4点を挙げ、9回には二死走者なしからダメ押しとなる3点を加え、投手陣も先発・美馬が7回を投げたこと、大量のリードがあったことで唐川侑己、ゲレーロ、オスナの“勝利の方程式”3人を投げさせずに勝つことができた。
この3試合を振り返っても、柳田悠岐をはじめ主力野手が多く不在にするソフトバンクだったとはいえ、勝ち方、試合内容ともにロッテ側から見れば勢いのつく最高の勝ち方だったのではないだろうか。
◆ ZOZOマリンのオリックス戦に注意
2日からは本拠地・ZOZOマリンスタジアムに戻って、オリックスと3連戦。2日は山崎福也が予告先発となっており、3日以降もローテーション通りにくれば山本由伸、宮城大弥と当たる可能性が高い。3戦とも投手戦が予想され、勝利の方程式の3人はフル回転が考えられるだけに、唐川、ゲレーロ、オスナの登板がなくソフトバンクの3戦目を勝利できたのは非常に意味がある。
オリックス戦、そしてマリン、シーズン終盤というところでいうと、今後を占う意味でも非常に重要になっていきそうだ。特に昨年は一時2位・オリックスに4ゲーム差をつけ首位を走っていたロッテだが、1勝すれば優勝マジックが点灯する9月28日からの本拠地・ZOZOマリンでの2位・オリックスとの3連戦で3連敗。雨天中止となった10月1日に、2位・オリックスが勝利したため2位に陥落した。
その後、2位ながら優勝マジックを点灯させ、優勝マジックを3まで減らしたが、オリックスが最終戦となった10月25日の楽天戦に勝利し、ロッテはソフトバンクに7-15と大敗したことで、ロッテが優勝するために残り3試合を3勝、もしくは2勝1分で終えなければいけない状況になった。結局、10月27日の楽天戦に敗れ優勝を逃した。あのときに1つ勝っておけばという試合が昨年の終盤何度かあったが、ZOZOマリンでのオリックス3連戦も当てはまるだろう。
今年も4位ながらも首位と2.5差で前半戦を終え、後半戦最初のカードオリックス(ZOZOマリン)との3連戦で首位とのゲーム差を縮めたいところだったが、まさかの同一カード3連敗を食らった。8月上旬は思うように星を伸ばせず、8月23日には首位と8.5差まで広がったが、24日以降7勝1敗で気がつけば首位とのゲーム差を5まで詰めてきた。
そして、今夜からZOZOマリンでオリックスとの3連戦。去年、今年とポイントになるところで、ことごとくZOZOマリンでのオリックス戦で3連敗を食らっている。首位と5差に迫り、チーム状況も上向いてきている。“逆転優勝”への期待は高まるが、ここは謙虚にまずは3連戦の初戦をモノにし、勝率を5割に戻したい。先のことを一旦考えるのをやめ、今夜の試合に勝利することだけを全力で考えていきたい。
文=岩下雄太