【西武】2リーグ制後発足球団初の5000勝達成…伝統凝縮“流線形打線”で最多16安打10点

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2022.8.29(月) 05:25

球団5000勝を達成して、ボードを持つ辻発彦監督(左)と源田壮亮(カメラ・義村 治子)

◆パ・リーグ オリックス4―10西武(28日・京セラドーム大阪)

 西武がオリックスに逆転勝ちし、球団通算5000勝目(4437敗390分け)を挙げた。巨人、阪神、中日、オリックス、ソフトバンクに続く史上6チーム目で、2リーグ制になった1950年以降に発足した球団では初の快挙。ライオンズの伝統が凝縮された節目の一戦を、秋本正己記者が「見た」。

 野球少年に戻ったような笑顔だった。5000勝の記念ボードを掲げた辻発彦監督(63)が誇らしげに見えた。子供の頃、地元・佐賀から当時、西鉄が本拠地にしていた平和台球場へ何度も足を運んだ思い出を回想。「本当に野球が大好きで父親に連れられて平和台によく通って、ずっとライオンズファン。そこに入って監督になって、記念すべき5000勝を経験できて夢のよう。幸せ者だと思います」。ライオンズとの縁をしみじみと感じていた。

 今季最多タイの16安打で10得点。西鉄時代、50年代後半の「流線形打線」、18、19年と連覇した際の「獅子おどし打線」…。過去の強力打線をほうふつとさせる攻めが繰り広げられた。1点を追う4回。先頭の源田から鈴木までの6連打などで5点を奪い一気に逆転。指揮官は「本当に勢いでいつの間にか4点取って、2死からの愛斗の適時打も大きかった」と振り返った。

 5点リードの6回無死一、二塁では源田に送りバントのサイン。2球連続でファウルにして三振に倒れたが、4点リードの8回無死一塁では柘植が送りバント。ダメ押しとなる山川の中越え37号2ランにつなげた。「(リードは)大差じゃないですよ。中川圭に3ラン打たれて、みんなびくびくしているのだから」と辻監督。現役時代に師事した広岡、森両監督の手堅い野球を再現したかのような采配に映った。

 選手として西武で9度、監督として2度のリーグ優勝を誇る指揮官にとって、残り23試合は腕の見せどころ。「現役の時は他の5球団が束になって西武をたたきにくるという中での戦いだった。それでも勝っていたわけだからね」。3年ぶりの優勝へ。先人から受け継いできた伝統を惜しみなく出していく。(西武担当・秋本 正己)

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