◆パ・リーグ　日本ハム２―０ソフトバンク（２７日・札幌ドーム）

　日本ハムの万波中正外野手（２２）が、大記録を援護する豪快な一発を放った。２７日ソフトバンク戦の２回、先頭打者で左翼へ１３号ソロを放ち、２―０とリードを広げ、コディ・ポンセ投手（２８）のノーヒットノーラン達成に貢献した。万波にとっても人生初の記録達成が着々と近付く中、８回まで「気付かなかった」程の集中力を１打席目から発揮。好守備も見せ、連敗を８で止める原動力となった。

　万波の「集中力」が、大記録達成につながった。１―０の２回表、中堅の守備で左中間への当たりに左手を懸命に伸ばして低い位置で好捕。ポンセを援護した。その裏、先頭打者で迎えた第１打席では、ソフトバンク武田の直球を左翼席へ突き刺す１１試合ぶり１３号ソロ。「打った瞬間、これは間違いないかなと。今年で一番、感触としてはいいホームラン」。効果的な一発がポンセのノーヒットノーランにつながり「僕の野球人生の中で（ノーヒットノーランは）初めてだったので。本当にただただすごいなと」。そう言って表情を緩めた。

　回が進むにつれ、札幌ドーム内に達成への期待感が高まる中も「全然、本当に気付かなくて。８回くらいにやっと気付いた」と口にしたほど、必死に戦っていた。「最近、２、３打席ダメだったら代打送られちゃう。それもやっぱり、レギュラー取れてない人間としてはしょうがないこと。とにかく２打席目まで、できたら１打席目で結果を出したい」

　２６日のソフトバンク戦はスタメンから外れ、０―６の７回２死一塁から代打で出場。左翼線へ二塁打を放った。「大差がついたところでしたけど、自分としては懸けていた１打席でヒットを打てたというのは、すごい大きかった」。手応えを得て臨んだ２試合ぶり先発機会に「スタメンで出るチャンスは絶対にものにしたいと思った」。神経を研ぎ澄ませて迎えた１打席目で“２日連続”快打を放ち、新庄ビッグボスも「いつもスタメンで出ていない選手が結果を出すのは難しいと思うんですけど、よく打ってくれました」と喜んだ。

　攻守にわたって躍動し、連敗も８で止めた。「勝敗プラス自分の不甲斐なさみたいなところでも、感じるところは色々あったので」。抱き続けてきた悔しさを少しでも和らげていくためにも、万波は１勝で満足などしない。（砂田　秀人）

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