
◆パ・リーグ 日本ハム3―2ソフトバンク(1日・みずほペイペイ)
チームの焦りを象徴するような走塁ミスだった。1点を追う8回2死一、二塁、二塁走者の野村が飛び出し、憤死(記録は盗塁死)となった。正遊撃手の今宮が前日の右肘死球で登録抹消となり、野村は代役の遊撃手として今季初スタメン。2安打とアピールしていたが、大事な場面で気持ちが前に出すぎた。「自分の中で行けると確信があったが、(あの場面だけ投手がボールを持つタイミングが)長かった。(1死一、二塁の)山川さんのときは外野が後ろに下がっていて(ヒット)1本で帰ってこれたが、中村晃さんのところで外野が前に出てきたので、1本で帰ってこれるように進みたかった」と悔しがった。小久保監督は「戦術的なところもあるので細かく言えない」と野村をかばった。
8回はベンチの強攻策も凶と出た。無死一塁で2番・笹川にバントのサインは出さずに右飛。3番・栗原が1死一塁で中前安打を放ち、得点圏に進めていれば、同点打となっていた。小久保監督はそのシーンを振り返り「送りバントはしないですね。(左打者の)笹川のところでゲッツーはなくて、また栗原で。すぐに送るんだった2番には入れない。転がしてほしかった? そこまで求めるのは酷」と説明した。9回は1死一塁で代走・緒方を送ったが、続く牧原大の初球の二ゴロ併殺打でゲームセットとなった。
今季2度目の5連敗で借金は、王監督の最終年となった2008年以来の7にふくれあがった。本拠地では2勝11敗1分け。1点差試合は今季3勝8敗で勝負弱さが目立つ。前日の試合後は今季初の緊急ミーティングを開き、この日の試合前練習では音楽を流さず、打撃練習でケース打撃に取り組んだ。開幕スタメン9人で、1軍に生き残っているのは山川1人だけの異常事態。「何回も言うけど、いるメンバーでやるしかない」と小久保監督。気持ちを切り替えて臨んだ5月初戦も負の流れは変わらなかった。
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