30代&大企業からの転身。パ・リーグをビジネスでもっと強く、もっと熱く【パシフィックリーグマーケティング 笠間啓太さん・西田昇平さん】

パ・リーグ インサイト 海老原悠

パシフィックリーグマーケティング笠間啓太さん・西田昇平さん
パシフィックリーグマーケティング笠間啓太さん・西田昇平さん

 プロ野球をビジネスサイドで支える球団職員などに転職秘話を聞く連載企画。今回はパ・リーグインサイトの運営元でもある、プロ野球パ・リーグ6球団の共同出資会社パシフィックリーグマーケティング株式会社(PLM)にフィーチャー。

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 社員のほぼ全員が中途採用入社で、さまざまなバックグラウンドを有するメンバーが集うPLM。そのなかでもいずれも大企業からの転職を経て、現在コーポレートビジネス統括本部パートナーシップ営業部で活躍する笠間啓太さんと西田昇平さんに話を聞く。

なぜ今、スポーツビジネスだったのか? キャリアチェンジのタイミング

――まずは、お二人のこれまでのご経歴と、転職を決意されたタイミングについてお聞かせください。

西田昇平:私の前職は化学繊維・医療メーカーで、ヘルスケア事業部にて医薬品営業担当(MR)を5年、本社の新規事業部門で3年半勤務していました。ちょうど31歳になるタイミングで異動の話が出たのですが、「30代のキャリアをどう描いていくか」を真剣に考えたのです。既存の経験を生かせる部署に残る道もありましたが、大学時代にスポーツビジネスを学んでいたこともあり、「人生一度きり、いつかやりたいと思っていたスポーツビジネスの世界に挑戦しよう」と決意しました。

――西田さんは大学時代に体育会サッカー部としても活動されていましたが、ビジネス側としてスポーツと接することにギャップはなかったのですか?

西田:大学時代にJリーグのクラブチームでインターンを経験していたので、スポーツビジネスのイメージは持っていました。スポーツを「する」「見る」だけでなく、「支える」という側面にもともと興味があったので、ビジネスとしてスポーツにお金が絡むことへの違和感もなかったです。

――一方、笠間さんは鉄鋼商社からの転身ですね。かなり思い切ったキャリアチェンジに見えます。

笠間啓太:新卒で鉄鋼商社に入り、12年間「鉄」を売っていました。商社としてのビジネスの規模感ややりがいはありましたし、正直に言えば給料も良くて安定した未来が見えていました。ただ、本音を言うと扱っているプロダクト(鉄)に対してどうしても自分自身の熱意が持てなかったんです。30歳を過ぎた頃から「自分が本当に興味を持てる対象にビジネスで関わりたい」という思いが強くなりました。

その後、コロナ禍をきっかけに自分のキャリアを見つめ直し、趣味だったアウトドアに関わるメーカーへ転職。そこでビジネスをイチから組み立てる面白さを経験したのち、もう一つの大きな関心事であった「野球」に関わるため、「PLMキャリア」経由でPLMへの転職を決めました。PLMキャリアは、PLMで実際に働いている、いわば“中の人”がキャリアアドバイザーとして面談をしてくれるので、リアルな声を聞けたのがよかったです。実は最初にPLMキャリアで面談をしてもらった際には希望の職種(営業)の募集がなかったのですが、タイミングを待って再度チャレンジし、今に至ります。

6球団を巻き込む「リーグスポンサー営業」と、PLMならではの「コンテンツセールス」

――現在、お二人はパートナーシップ営業部でどのようなお仕事をされているのでしょうか?

笠間:主な役割は二つあります。一つは金額も規模も大きい「リーグスポンサー」やリーグ全体とまではいかずとも「個別球団との取り組みや複数の球団を跨る取り組み」のような6球団アセットを活用する提案を行う営業。もう一つは、パーソル パ・リーグTVやパ・リーグインサイトなどの自社メディアを活用した取り組みを提案する「コンテンツセールス」です。

私は2025年からリーグスポンサーとなっていただいた〈モンスターエナジー〉様などを担当していますが、プロ野球という年間を通じて日本中で何万人もの人が集まる圧倒的なプラットフォームを生かし、6球場で計36回の商品サンプリングやプロモーションに携わっています。

モンスターエナジー様はブランドとしてのかっこよさが確立されていると思っているので、野球を掛け合わせることで、一緒にプロ野球を“かっこよくスタイリッシュ”なものにできるんじゃないかと思っています。

「モンスターエナジーDAY」にてサンプリングの様子 ©PLM
「モンスターエナジーDAY」にてサンプリングの様子 ©PLM

コンテンツセールスでは、パーソル パ・リーグTVのYouTubeチャンネルで(主に3~11月に)毎週生配信されている『月曜日もパテレ行き(月パ)』でのタイアップ企画などをセールスしています。

今季開幕前に行った月パの〈ファミリーマート〉様の取り組みは、非常にユニークなものでした。単にCMを流すだけでなく、番組内で「打順をおにぎりで表現する」という、コンテンツのディープな部分にまで商品が入り込んだ新しい試みでした。思い出深いのは制作チームとの打ち合わせ。「どうやったら宣伝をエンタメとして面白く見せられるか」を何度もブラッシュアップして(月パを制作している)コンテンツ事業部と企画化しました。

『月曜日もパテレ行き』より ©PLM
『月曜日もパテレ行き』より ©PLM

西田:私も笠間さんと同様に二つの軸で動いています。私が担当している〈ニフコ〉様は、自動車部品を中心にさまざまな分野向けの製品を開発・製造をしている企業で、昨年途中からリーグスポンサーになっていただいたお客様なのですが、ファンの皆様への認知度を高めるため、昨シーズンから実施している内容に上乗せして、今シーズンは6球場でブース展開やサンプリングを行いました。実際に球場に赴き、ニフコ様の社員の方々と一緒にブースに立ってファンの生の声に触れるのは非常に有意義な経験です。

ニフコの特設ブース ©PLM
ニフコの特設ブース ©PLM

――「プロ野球に関する営業」ならではの面白さや、逆にPLMだからこその難しさはどこにありますか?

西田:オリジナリティのある面白い取り組みとしては、ニフコ様と展開している「予告先発発表の演出への協賛」があります。これは各球場で5〜8回裏あたりにオーロラビジョンを活用して実施する予告先発の演出に、ニフコ様の企業ロゴが掲出され、同時に球場アナウンスで企業紹介もひと言添えるというもので、スタジアムの注目が集まるタイミングで実施されるため、来場者に対して強い印象を残すことができる取り組みです。ブースに立っていると、ファンの方から「予告先発をやっている会社だよね」と声をかけられることもあり、お客様の認知拡大を肌で感じられるのが大きなやりがいです。

また、直近では月パの枠で冷凍宅配弁当サービスを提供している「ナッシュ(nosh)」様の新規タイアップを獲得しました。1年越しのアプローチが実を結んだ形ですが、自分の提案で新しい形が作れたときは本当に嬉しいですね。

笠間:PLMの強みであり難しいところは、「6球団のハブ」である点です。当然、球団ごとに考え方や文化は異なります。そこをいかに調整し、全員が納得する文脈に落とし込めるかが腕の見せ所です。

最近では球団側から「PLMで取りまとめてほしい」と新しい案件を相談されることも増えており、6球団の一体感を支えるハブとしての機能がしっかり回っているな、と感じています。

野球とこれまでの経験の掛け合わせで、何ができるか

――現在、PLMでは積極的に採用を行っています。今後、どのような方と一緒に働きたいですか? また、お二人自身の今後の展望も教えてください。

西田:PLMは少数精鋭の組織だからこそ、異なるバックグラウンドを持つ人が集まることで、多様な視点やアイデアが生まれると考えています。業界や取り扱い商材に関わらず、これまでの経験をどう野球に掛け合わせるかを楽しめる人が向いているのではないでしょうか。

私自身の展望としては、「野球業界で今まで誰もやっていなかったこと」にどんどんチャレンジしていきたいです。歴史のあるスポーツですが、アイデア次第で新しいビジネスや価値を生み出せる余地はまだまだあります。そうやって新規のリーグスポンサーを4社、5社とさらに増やし、お客様同士の横の繋がりから生まれる新しい取り組みなども仕掛けていきたいですね。

笠間:私は、「自分はこれができます」という独自の強みやエッジ(武器)を持っている人にぜひ来てほしいなと思います。例えば自分の経験でいいますと、現在私がやっていることは前職の商社の動きにとても近いのではと思っています。物を持たずに、球団(メーカー)とお客様の間に入って調整する立ち位置が似ているのです。自分の得意ゾーン=これまでのキャリアを生かせていると思います。

パ・リーグ6球団とPLMとの関係性を今後よりシームレスにし、野球界全体をもっと一体化させていくためのハブ機能を営業の立場から強化していきたいです。

――最後に、スポーツ業界への転職を志す方へメッセージをお願いします。

西田:スポーツ業界は自分とマッチする求人が多数出ているわけではありませんし、タイミングも重要です。挑戦するには少し勇気がいるかもしれませんが、いざ飛び込んでみれば、本当に誇りを持って、熱く働ける素晴らしい仕事です。

笠間:何より、これほどまでに人々の高い熱量を間近で感じながら仕事ができる業界は他にありません。エンターテインメントとしてのプロ野球をよりスタイリッシュでかっこいいものに変えていく一員になれるチャンスです。この「手触り感」のある面白さを求めている方は、ぜひ一歩を踏み出してみてください!

information

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