「ずっと目標にしていたので、これだけは変えたくない」。
ロッテ・山口航輝はプロ入りから毎年30本塁打を目標に掲げてきたが、今季こそクリアするつもりだ。
山口は3年目の21年にプロ初本塁打を含む9本塁打を放つと、翌22年には9月22日のオリックス戦で3打席連続本塁打を放つなど、同年はチームトップの16本塁打。23年も14本塁打を放ち、24年は2本塁打にとどまったものの、25年は8月にパ・リーグタイ記録となる4打数連続本塁打を放った。
30本塁打への思いについて「そこに向かってやっていく必要が絶対あると思うので、そこはブレずに追い続けたいと思いますね。ここでぶれたら本当に何のために野球をやってるんだ。今まで何を追っかけてきたんだというふうになってしまうと思う」と吐露。
「今までの数字を見て30本はなかなか言いにくいですけど、僕の目標でもあるし、入ってきた時からの目標があるので、そこは絶対にブラさず、誰に何を言われようがそこは変えたくないと思います」と力を込めた。
山口の課題は“継続性”。シーズン通して本塁打を打ち続けるために必要なことについて、「気持ちの面とかも大事になってくるのかなと思います。打ってる時はみんなそうだと思うんですけど、打ってる時は打てるんじゃないかと思うので、どこかで力みがあったり、どこかでやらなきゃいけないところを考えてしまう時はなかなかいい結果が出ないと思うので、いかに冷静に打席に立てるかが大事になってくるかと思いますし、あとは練習するだけかなと思います」と昨年、契約更改交渉後の会見で語っていた。
“気持ち”、“切り替え”の部分では、総合格闘家のヒロヤさんに会った際に、切り替え方について質問したという。そこで、ヒロヤさんから“人間誰もが落ち込むもの。その後の行動でどうしていくかというのが大事になるぞ!”とアドバイスをもらったそうだ。
1月の自主トレはZOZOマリンスタジアムなどでハードなトレーニングを行ってきた。2月の都城キャンプは「怪我なくいい感じに終えられたので、良かったです」と振り返り、「ここから実戦が入ってくるので、実戦の感覚をよくしていきたいと思います」と話した。2月15日のヤクルトとの練習試合では、0-1の9回無死走者なしの第4打席、荘司宏太が1ボールから投じた2球目のストレートを打った瞬間にそれとわかる、レフトへ特大な一発を放った。
本拠地をZOZOマリンスタジアムに移転後、日本人選手のシーズン最多本塁打は初芝清氏の25本塁打(95年・98年)。球団でシーズン30本塁打以上放った日本人選手は、86年に50本塁打を放った落合博満氏まで遡らなければならない。山口は瞬間的な活躍は何度も見てきており、そのパワーは誰もが認めるところ。コンスタントに長打が打てれば、目標である30本到達も夢ではない。
今から8年前の12月4日に行われた新入団選手発表会で「ホームランも30本以上打って、ホームラン王を獲りたいです」と当時18歳だった山口は高らかに宣言した。あれから8年――。プロ野球という勝負の世界に身を置き、良いことも、悔しいことも、多くの経験を積んできた。今季こそ、目標を達成してみせる。
▼ ZOZOマリン移転後シーズン30本塁打以上放った選手
M.ホール(1993年 / 30本)
ボーリック(2001年 / 31本)
D.メイ(2001年 / 31本)
フェルナンデス(2003年 / 32本)
ベニー(2004年 / 35本)
李承燁(2005年 / 30本)
レアード(2019年 / 32本)
取材・文=岩下雄太