
◆日本生命セ・パ交流戦 2025 オリックス8―3巨人(15日・京セラドーム大阪)
こみあげた思いがお立ち台で涙となり、頬を伝った。「きょう一日、大翔のことを考えるだけでずっと泣きそうだった。我慢できなかったですね…」。オリックス・森は闘病中の親友のため、全身全霊をささげた。
試合前の始球式では、大阪桐蔭時代の同期で、希少がんと闘う福森大翔さん(29)がノーバウンド投球。「2週間前にキャッチボールをした時は、5メートルくらいで痛そうに投げていた。正直、(ノーバウンドは)無理かな、と…」。捕手として、福森さんの前向きで熱い思いを受け止めた。「頑張れる歌を」と一日限りで、ゆずの「栄光の架橋」に登場曲を変更。同点の5回1死一、三塁で勝ち越しの右前打を放った。「絶対、活躍している姿を見せたかった」。毎年恒例の人気イベント「大阪代表バファローズ高校」の最終日として、母校の吹奏楽部も右翼席から特別応援。勝利をかみ締め、泣いた。
観客数が実数発表となった05年以降で、球団最多の3万6219人が来場。チームは今季3度目の4連勝を飾り、巨人戦は6連勝とした。「自分の打てないとか、どっか痛いって苦しさは、大翔に比べたら屁(へ)でもない。もう、僕は一生懸命やるだけ」。4年ぶりの優勝を目指す交流戦でも2位タイをキープ。同志とともに戦う森の姿がある。(南部 俊太)