キャンプの一軍抜擢が、シーズンの活躍に直結する!?
2月に入り、プロ野球の各球団春季キャンプの真っただ中だ。春季キャンプは一軍に相当するメンバーと二軍のメンバーに分けて行われるのが一般的となっているが、今後への期待を込めて実績に乏しい若手が一軍に抜擢されることも少なくはない。
今回は、前年にあたる2025年のキャンプにおいて一軍メンバーに抜擢されたルーキーや若手のうち、シーズンに入ってから出場機会を増やして存在感を発揮した選手たちを紹介。キャンプをきっかけにブレイクを果たした面々について、あらためて振り返っていきたい。
北海道日本ハムファイターズ
達孝太投手はプロ入り後の3年間で合計2試合の登板にとどまっていたが、シーズン開幕後は先発陣の一角として16試合に登板。防御率2.09、与四球率1.67、K/BB4.70と安定感抜群の投球を展開して8勝を挙げ、デビューから全試合先発での7連勝というNPB新記録を樹立。チームの躍進に貢献し、キャンプでの抜擢をブレイクにつなげた好例となっている。
矢澤宏太選手は2024年に投手として17試合に登板した一方で、野手としては28試合で打率.111と苦しんだ。だが、外野手に専念して迎えた2025年はキャンプから一軍に帯同し、故障離脱がありながら自己最多の86試合に出場。打率.247、11盗塁に加えて外野守備でもたびたびチームに貢献し、ポストシーズンでも攻守にわたってインパクトを残してみせた。
東北楽天ゴールデンイーグルス
ドラフト4位ルーキーの江原雅裕投手はオープン戦で5試合に登板して防御率1.50と好投し、見事に開幕一軍の切符を勝ち取る。シーズン開幕後も30試合に登板して1勝1ホールド、防御率3.45と一定の数字を残し、即戦力としての期待に応える堅実な働きを見せた。
黒川史陽選手と中島大輔選手はいずれもキャンプで一軍に帯同し、開幕は二軍で迎えたもののシーズン開幕後に躍進を遂げた。黒川選手は自己最多の83試合に出場し、打率.299、OPS.745と出色の打撃を披露。中島選手は自己最多の124試合に出場して規定打席に到達し、打率.266、6本塁打、22盗塁を記録。プロ2年目にして外野の主力の座をつかんだ。
埼玉西武ライオンズ
山田陽翔投手はプロ入り後の2年間で一軍登板がなかったが、2025年は49試合で3勝3敗17ホールド1セーブ、防御率2.08とチャンスを生かしてブルペンの貴重なピースに成長。羽田慎之介投手も2024年の9試合から2025年は24試合と登板機会を増加させ、防御率2.95と好投。日本人左腕最速となる160km/hを記録する活躍で、首脳陣が抜擢した理由を示した。
ドラフト2位ルーキーの渡部聖弥選手はキャンプから一軍に帯同し、序盤戦ではハイアベレージを記録。最終的に109試合で打率.259、12本塁打、43打点と長打力も示し、新人王候補にも挙がる奮闘を見せた。仲田慶介選手は内外野の4ポジションをこなすユーティリティとして自己最多の60試合に出場し、移籍初年度から縁の下の力持ちとして奮闘した。
千葉ロッテマリーンズ
田中晴也投手は2024年の4試合から2025年は13試合と登板数を増加させ、防御率2.48、奪三振率9.08と、三振を奪える先発右腕としてポテンシャルを示した。木村優人投手も開幕時はリリーフ、シーズン途中からは先発と役割を変えながら、3勝2敗5ホールド1セーブ、防御率3.31と奮闘。一軍登板なしに終わったプロ1年目から長足の進歩を見せている。
木村投手と同じく高卒2年目の寺地隆成選手は116試合に出場し、打率.256、5本塁打、33打点と主力捕手として奮闘。わずか2試合の出場に終わった前年から大きな進化を遂げた。山本大斗選手も出場試合数は2024年の5試合が最多だったが、2025年は107試合に出場して11本塁打、33打点を記録。一時は4番打者も務めるなど、長距離砲としての資質を示した。
オリックス・バファローズ
オリックスの2025年キャンプにおける一軍メンバーは、一軍で一定以上の実績を持つメンバーが大半を占める構成となっていた。そんな中で、才木海翔投手は前年の15試合から38試合へと登板数を増加させ、防御率も5.09から1.87へと飛躍的に改善。2勝1敗11ホールド4セーブ、奪三振率9.62と圧巻の投球を見せ、勝ちパターンの一角へと成長を果たした。
福岡ソフトバンクホークス
松本晴投手は過去2年間で合計8試合の登板にとどまっていたが、2025年は29試合と一軍での登板機会が大きく増加。先発と中継ぎを兼任しながら6勝6敗2ホールド、防御率2.76、奪三振率9.07、与四球率2.27、K/BB4.00と優れた投球内容を展開し、貴重な左腕としてチームのリーグ優勝と日本一にも貢献を果たしている。
前田純投手もプロ入りからの2年間で一軍登板はわずか1試合だったが、2025年は10試合で49イニングを投じ、防御率3.12と、先発としてシーズン前半に存在感を示した。木村光投手も前年の5試合から2025年は13試合と登板機会を増やし、9月28日にはプロ初セーブも記録。防御率1.02、奪三振率8.66、K/BB3.40と好投を見せ、今後の活躍に期待を持たせた。
キャンプをきっかけに、出場機会を伸ばす選手が今季も現れるか
新たな力の台頭は、長いシーズンにおいてチームが高い競争力を保つために、決して欠かすことのできない要素となる。2026年シーズンにおいても、キャンプでつかんだチャンスを活かして飛躍を果たす選手が一人でも多く出現し、パ・リーグ各球団で新たな風を吹かせる活躍を見せてほしいところだ。
文・望月遼太
