
◆パ・リーグ 西武9―4楽天(9日・ベルーナドーム)
祈りを込めリズムよく投げ込んだ。1945年8月9日。長崎県に原子爆弾が投下された日、同県出身左腕、西武・隅田は7回2/3を5安打2失点で自身最多に並ぶ9勝目を挙げた。
7回まで三塁を踏ませず。8回2死一、三塁とされたところで降板となり「悔しいです」と表情をゆがめたが、お立ち台では「今日は長崎県民だけじゃなくて日本の皆さんにとって特別な日だと思う。日頃からご飯食べるのも寝ることも平和に過ごせることに感謝して、今日1日、平和について考えてみてください」と、平和への思いを強く訴えた。
99年生まれの隅田。もちろん戦争中の記憶はないが、幼い頃から戦争について何度も考えたという。「被爆者を直接見て育ったので、残酷さはすごい分かる」。戦争について、自分なりに学んできた。プロ野球選手になった今、発信力の強い立場を利用して、大人だけではなく子供にも伝えていきたいと考える。「認知して考えてくれるだけでもいいかなって。こうやってヒーローインタビューで発信できたことはよかった」。特別な日に挙げた特別な1勝だった。(大中 彩未)
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