日本ハムの加藤貴之投手（３２）が２０日、全力で“最終試験”に臨むことを誓った。２１日のヤクルトとのオープン戦（エスコン）に先発する左腕は、３月１日の台湾・統一戦（台北Ｄ）に登板後、体調を崩すアクシデント。順調なら当確だった開幕ローテ入りもいったん白紙にされていた。復帰２度目の登板で復調した姿を披露し、再び開幕ローテを確定させる。

　冷静で精密なコントロールを武器とする左腕が、気持ちで開幕ローテを確定させる。体調不良で８日の登板予定を回避。１４日のソフトバンク戦（みずほペイペイ）で復帰し、４回を４安打２失点だった。オープン戦ラスト登板を前に「もう開幕なんで、ほんと全力で頑張ります。いけるところまで、しっかりとやりたい」と強い気持ちを示した。

　体調不良の影響があり、ランニングなどで体力の低下を実感。「キャッチボールもギャップが。こんなだったかなっていうのもあった」。復帰登板だった前回は思うように体に力が入らず、やや力任せになったことで珍しく制球にも苦しんだ。「前回は本当にコントロールが悪かった。（１９日の）ブルペンである程度修正できたと思うんで、しっかり出せると思います」と“最終試験”に向けては自信をのぞかせた。

　復調気配は周囲も感じている。この日は、エスコンで先発投手陣の練習に参加。時折「怖っ」と声を上げながら、キャッチボール相手を務めた武田投手コーチは「元々波は少ないけど、いいと思いますよ。角度が出てくると速く見えるし、（受ける際に）怖さがある」。特に動きがシンプルなクイックについては、より精度が高いことを証言した。

　実績と実力に疑う余地はなく、大事なのはコンディションの回復を証明することだ。「体調もよくなっているので、前回よりはよくなるかなと思います」と加藤貴。本来の姿で首脳陣を安心させ、開幕ローテへの当確マークをともす。

（山口　泰史）

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