
◆オープン戦 オリックス9―1ソフトバンク(23日・SOKKEN)
オリックスのドラフト4位・山中稜真捕手(24)が、右翼の定位置争いに“電撃参戦”した。「7番・右翼」でオープン戦初出場し、2安打2打点といきなりのアピール。フレッシュな力が、岸田オリックスの起爆剤となりそうな気配だ。
「積極的に仕掛けよう、というのがテーマだった」。まずは2回無死一、三塁で伊藤の初球を右前へ。先制適時打に「チャンスだったので初球から行こう、と。犠牲フライとかのイメージだったけど、結果的にヒットになって良かった」と笑みがこぼれた。3回1死一、二塁でも通算44勝の左腕・浜口の初球をたたき、中前適時打。ともにファーストスイングで結果を残し「自分がやろうとしたことは間違っていなかった、と実感した」と胸を張った。
この日から新外国人のオリバレスが合流した。メインの守備位置は右翼。21年の本塁打王で、青学大の先輩にもあたる杉本とともに強力なライバルとなる。「他の選手と比べてもしょうがない。自分のできるところで精いっぱいプレーすることに尽きる」。キャンプの実戦では、10打数6安打の打率6割だ。捕手登録だが、社会人・三菱重工East時代は外野や一塁が中心。ルーキーらしく、がむしゃらに挑むつもりだ。
山中の「プロ初安打初打点」でオープン戦初勝利。指揮官としても、少しうれしい1勝をつかんだ岸田監督は「いい刺激になっているんじゃないですかね、チームにも」と競争の激化を歓迎した。「まぐれというか、たまたまだと思っている。ちゃんと芯で当てた打球がもっと増えれば」と全く浮かれなかった新鋭の目標は「開幕1軍」。快打連発の先に、大抜てきがある。(南部 俊太)
山中 稜真(やまなか・りょうま)
▽生まれ 2000年12月14日、神奈川県。24歳
▽サイズ 178センチ、83キロ。右投左打
▽主な球歴 木更津総合では2、3年夏の甲子園に出場し、3年時に16強。青学大を経て、三菱重工Eastでは24年の都市対抗大会でチーム初Vに貢献。同年度の社会人ベストナイン(一塁手)に選出。24年ドラフト4位でオリックスに入団。背番号50。推定年俸800万円
▽著名人の知り合い タレントの中山秀征と白城あやかの長男で俳優・中山翔貴は、青学大野球部の2学年先輩
▽趣味 神社巡り
▽好きな言葉 奮励努力。気力を奮い起こして励み、努力を重ねるという意味
▽尊敬する選手 大学とチームの先輩・吉田正尚(Rソックス)。「雲の上の存在。体の厚み、オーラとか、ただものではない」
▽特技 水泳。幼稚園から小学校にかけて6年間続け、区大会にも出場。「幼少期は、もし野球がダメなら水泳選手になりたいと思っていた」