
日本ハム・田中正義投手(29)が15日のロッテ戦(エスコン)で20セーブ目を挙げた。登板の度に、田中正のセーブ成功を意味する「正義執行」がSNSでトレンドワード入り。今や不動の守護神となった剛腕にとって、4月21日の楽天戦(楽天モバイル)が開花の前夜となった。
クローザーの石川が左内転筋の肉離れで抹消。それまでセットアッパーを任されてきた田中正に、1点をリードした9回のマウンドが託された。抑えればプロ初セーブだったが、4安打と自らの悪送球が絡んでサヨナラ負け。試合後は悔しさを押し殺しながら「本当に申し訳ない気持ちがある。どうやったら抑えられるかを整理して、明日グラウンドに来たい」と球場を後にした。
翌22日の楽天戦。2点リードの9回を締めたのは宮西だった。ブルペンから投球を見届けた田中正が「あの試合はどういう意識で投げていたんですか」と問うと、歴代通算最多ホールドを誇る左腕から金言が返ってきた。
「高さ、コースだけ間違えないように。ストライクゾーンを9分割じゃなくて4分割、時には2分割くらいの気持ちで投げてもいい。あれだけの球威があるんやし、思い切って勝負していいと思う」
田中正は「ものすごい数のシチュエーションで経験を積まれている方なので。『やっぱりそれでいいんだな』と思えました」。宮西の言葉にも背中を押され、直球とフォークの2球種でストライクゾーンの中で勝負するスタイルを確立。4月26日のオリックス戦(エスコン)、プロ初セーブのお立ち台で涙を流した男は「抑えても何も驚かない」(新庄監督)風格を漂わせる守護神に脱皮した。
初出場した球宴を終え「来年はもっと押しも押されもせぬ選手になって戻ってきたい」と決意を新たにした田中正。新天地で大ブレイクを果たした23年も「開花前年」と呼ばれるような、さらなる飛躍を期待したい。(日本ハム担当・内田 拓希)