
◆パ・リーグ ソフトバンク5―1日本ハム(21日・福岡ペイペイドーム)
球団史に残るパンチ力を見せつけた。3点リードの8回1死。野村勇は井口の131キロスライダーを振り抜いた。「最近右投手から打てていなかったので、絶対に打とうと思っていました」。左翼テラス席に着弾する10号ソロ。球団新人初となる2度目の1試合2発で、1939年の鶴岡一人が持つ球団新人記録に83年ぶりに並んだ。
1本目は3回1死一塁で左腕・加藤の初球を捉えた。「引きつけるイメージで」と右翼テラス席に飛び込む9号2ラン。89年の福岡移転後、新人最多だった97年の井口忠仁(現ロッテ監督)の8本塁打をこの時点で25年ぶりに超えた。149打席で10発。井口が252打席だっただけに、驚異的なペースと言える。
兵庫・神戸市出身。幼い頃は父・伸一郎さんと実家から近い海で釣りにいそしむなど“野生児”として育った。拓大に入学後は筋トレに励むと、2年時から一気に飛距離が伸びた。175センチ、80キロと決して大柄ではない体に秘められた爆発力。「(打順は)中学までは8番、9番。高校の時も1番とかで通算5本くらいしか打ってないんで」と笑ったが、今ではみんなが認める強打者だ。
チームは今季8度目の同一カード3連勝。今カードまで1分けを挟んで6連敗していた日本ハム戦の借金を“完済”した。「ホームランが一番うれしい、一番理想の打撃です。頑張って(記録を)抜かしたいと思います」と野村勇。新型コロナ陽性疑いで周東や牧原大らを欠く中、父親ルーキーが新ヒーローとして名乗りを上げた。(中村 晃大)