ロッテの河村説人は、課題にしていた“立ち上がりの失点”を克服しつつある。
5月5日の楽天二軍戦、5月23日の西武二軍戦で初回に失点するなど、立ち上がりやや不安定で、5月26日の取材で「時間の使い方だったり、何を何球投げてとか、(試合前のブルペンでの球数も)多くしたり、少なくしたり、ウォーミングアップの順番だったりを変えながらやっています。初回だけ結構課題かなと思います」と試行錯誤。
初回を乗り切れば、2回以降は少ない球数でテンポよく抑えていく、そんな投球をファームで見せていた。今季2度目の一軍先発となった6月24日の日本ハム戦では、初回に清宮幸太郎に適時二塁打を浴びたが、7月1日の楽天戦、7月8日の日本ハム戦はいずれも初回を無失点に抑えている。
試行錯誤していた初回の入りの部分で、良い試合の入り方を見つけたのだろうかーー。
「初球の入り方だったり、初球への向き合い方、そこは意識してしっかり投げるようにしています」
前回登板の日本ハム戦では、「ホームランがある打線なので極力こちらとしてもゴロを打たせたい選択になったのかなと思います」と、0-0の初回先頭の水谷瞬を1ストライクから投じた2球目のインコース142キロシュートで右飛、0-0の初回二死走者なしでレイエスを2ボール2ストライクからインコースのシュートで中飛と、フライアウトではあったものの、初回から右打者のインコースにシュートを積極的に投げ込んだ。
“ゴロを打たせたい”と話した中で、0-1の2回二死満塁で水谷を1ボールから2球目のインコース144キロシュートで遊ゴロに仕留めたが、これが理想的な打ち取り方になるのだろうかーー。
「シュートだったと思います。理想的ですね」
シュートも良いがストレートも「平均球速も上がってきたので、結構感覚は良いです。自分の中では悪くはないです」と力強い球を投げ込む。
話を立ち上がりに戻すと、7月1日の楽天戦は2回までに45球を投げるも、3回、4回、5回は3イニング連続三者凡退で、終わってみれば7回を投げた。ファームの時と変わらず、立ち上がりを凌げば、少ない球数でスイスイと長いイニングを投げるピッチングだった。
「序盤球数がかさんで、投げるからには長いイニングをいきたいので、ちょっと球数を抑えないと思って投げましたけど、点は取ってくれたのもあったので、よりゾーンで攻めた結果がああなったかなと思います」
同日の楽天戦、2-0の4回二死走者なしで平良竜哉を1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた5球目の134キロフォーク、5-0の7回先頭の黒川史陽を1ボール2ストライクから空振り三振を奪った4球目の130キロフォークが良かった。
「フォークも空振り取れていますし、前回(日本ハム戦)はあまり三振を取れなかったんですけど、道中の空振りは結構あったので、使い方であったり、タイミング次第で良いボールになってくるのかなと思います」
気になるのはスライダーより、気持ちカットボールの方が多いこと。「日によって変わる感じですね」とのことだが、「カットは便利な球なんですけど、増えすぎないようにしています」と続けた。その理由について「真っ直ぐを軸にしていかないとフォークも活きてこないので、真っ直ぐいくタイミングでカットに行くこともあるんですけど、真っ直ぐも忘れないようにというのだけは意識しています」と説明した。
ファームで安定した投球を披露し、2度目の一軍登板となった6月24日の日本ハム戦こそ5回6失点で敗戦投手になったが、7月1日の楽天戦は7回無失点、7月8日の日本ハム戦は5回1失点とゲームを作った。
「やりたいことはやれています。もちろんバッターのレベルは高いですけど、データももちろんファームより多いですし、しっかり出してくれたデータに基づいて投げていけば、なんとかなっていけるかなという感じですね」
安定した投球の先に先発定着が見えてくる。先発定着へ大事になってくることについて、「サブロー監督はヒットはあんまりマイナスにならないというか、四球だったり、リズムが崩れて球数が多いというのはすごくマイナスになると思うので、リズムよくストライクを投げ込んでいくのが大事だと思っています」と自己分析した。
「一軍にずっといたいです、チームもすごく乗ってきているので、チームと一緒に僕も上がっていければなと思います」。不安定な先発陣の中、1人でもローテーションに定着して欲しい状況。この夏、チャンスをモノにして見せる。
取材・文=岩下雄太