【台湾プロ野球だより】日本人監督、日本人先発対決も実現、ピッチクロックも正式導入

2024.4.26(金) 15:01 駒田英(パ・リーグ インサイト)
リーグきっての人気チーム、中信兄弟の一軍監督に就任した平野恵一氏 【写真提供:CPBL】

 台湾プロ野球開幕特集、前半では、6チームの開幕戦の模様を中心にご紹介したが、後半では、日本人指導者や選手に関する話題、今季から採用の新ルール、プレミア12に向けた動きなどについてお伝えしよう。

日本人指導者が全6球団に11人、日本人監督が一挙に2人誕生

 黎明期から日本人指導者が活躍してきた台湾プロ野球、2020年の後期シーズンから公式球の反発係数が見直され、「打高投低」が解消、守備や走塁、戦術がより重視されるようになったうえ、台湾人投手の育成も課題とされるなか、近年、再び増加している。
 昨季は全6球団でフルタイムの日本人指導者が誕生、特に味全ドラゴンズの台湾王者を支えた高須洋介一軍打撃コーチや、チームの長年の課題であった内野守備を鍛え、前期優勝に導いた統一ライオンズの玉木朋孝内野守備コーチらがクローズアップされた。大多数の日本人指導者が契約更新となったうえ、このオフ、富邦ガーディアンズの一軍内野統括コーチに稲田直人氏、台鋼ホークスのトレーニングディレクターコーチに里隆文氏、楽天モンキーズの二軍スポーツパフォーマンスコーチに広瀬大輔氏が就任、日本人指導者は6球団で計11人となった。富邦、稲田コーチによる守備、走塁に対する意識改革は、早速注目されている。
 さらに、楽天の古久保健二監督、中信兄弟の平野恵一監督と、内部昇格で日本人監督も二人誕生した。2年連続で台湾シリーズ進出もいずれも涙を飲んだ楽天は、昨年11月29日、古久保健二一軍ヘッドの一軍監督就任を発表。三連覇を逃した中信も、12月29日、彭政閔監督の辞任を受け、平野恵一ファーム野手発展ディレクターの一軍監督就任を発表した。平野新監督は昨年5月、林威助監督の事実上の更迭に伴い、一軍打撃兼内野統括コーチからファームへ配置転換となっていたが、相次いでチームのレジェンドが監督を退いたなか、白羽の矢が立った。

日本人監督対決第1ラウンドは、「古久保」楽天が2勝1敗

 CPBLの日本人監督は、2012年6月から2013年8月まで統一の監督をつとめた中島輝士氏以来10年ぶり。開幕時に2球団以上で日本人が監督を務めるのは、大石弥太郎氏が統一を、宅和本司氏が三商タイガースを率いた1996年以来、実に28年...

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