マイケル・ルイス氏のノンフィクション書籍「マネーボール」をきっかけに、野球界ではデータの価値が大きく変わった。ブラッド・ピット主演で2011年に映画化もされ、実在するオークランド・アスレチックスのGMビリー・ビーンがチーム編成に用いた「セイバーメトリクス(選手の評価をデータで分析する手法)」が世間にも広まった。
チームを構成していく上でデータは欠かせず、編成の考え方も大きく変わっていった。従来の打率や防御率など、投打の選手を計る物差しとして、野球と数字は以前から切っても切れない関係だったが、さらなる数値で選手が評価されるようになった。WHIP(投球回あたり与四球・投被安打数合計)やOPS(出塁率と長打率を足し合わせた数値)といった用語も、今や球界では主流となってきている。
データはグラウンド内での戦術や選手起用への影響は絶大なるものとなったが、グラウンド外 のビジネス面、そしてメディアの側面からもデータを活用することで視聴者の野球の見方に変化をもた...