実績で群を抜くリー兄弟の兄レロン・リー
すでに1200人になろうとしているNPBの外国人選手。球史に残る選手も数多く出ている。今回は千葉ロッテとその前身球団で活躍した外国人選手について振り返ろう。
○毎日、大毎、東京、千葉ロッテの外国人選手、安打数10傑。()は実働期間
1リー 1579安打(1977-1987)
2アルトマン 886安打(1968-1974)ほか阪神99安打
3レオン 716安打(1978-1982)ほか大洋(現横浜DeNA)430安打、ヤクルト290安打
4ベニー 613安打(2004-2009)
5ロペス 596安打(1968-1971)ほかヤクルト205安打
6パリス 419安打(1964-1967)
7ボーリック 384安打(1999-2002)
8ディアズ 353安打(1989-1992)
9白仁天 348安打(1977-1980)ほか東映(日拓、日本ハム)1183安打、太平洋256安打、近鉄44安打
10マット・フランコ 333安打(2004-2006)
○本塁打数5傑
1リー 283本(1977-1987)
2アルトマン 193本(1968-1974)ほか阪神12本
3レオン 130本(1978-1982)ほか大洋82本、ヤクルト56本
4ディアズ 93本(1989-1992)
5ボーリック 92本(1999-2002)
○勝利数10傑
1荘勝雄 70勝(1985-1995)
2ミンチー 45勝(2001-2004)ほか広島29勝
3ヒルマン 26勝(1995-1996)ほか巨人0勝
4シコースキー 22勝(2001-2003・2008-9)
5グライシンガー 17勝(2012-2014)
6ディサ 16勝(1961-1963)ほか近鉄0勝
7セラフィニ 16勝(2004-2005)ほかオリックス2勝
8マーフィー 14勝(2010-2011)
9ボルシンガー 13勝(2018)
10スタンリッジ 12勝(2016-2017)
○セーブ数5傑
1ウォーレン 49セーブ(1998-2000)
2荘勝雄 33セーブ(1985-1995)
3シコースキー 19セーブ(2001-2003・2008-9)
4シャーリー 11セーブ(1983-1984)
5ロサ 1セーブ(2011-2015)
5シェッパーズ 1セーブ(2018)
5ハートリー 1セーブ(1994)
進駐軍の“掛け持ち大リーガー”カイリーは二刀流で活躍
1950年、毎日新聞社によって創設された毎日オリオンズは、大映と合併して大毎オリオンズとなり、東京オリオンズを経て1969年から千葉ロッテオリオンズに。さらに1992年に千葉に本拠を移し、千葉ロッテマリーンズになった。
ロッテの外国人選手第1号は、戦前、阪神のエースとして活躍した日系二世の若林忠志だが、野球界に衝撃を与えたのは1953年のレオ・カイリーだった。
カイリーは1951年にレッドソックスで7勝を挙げた現役メジャーリーガーだったが、当時は兵役で米海軍横須賀基地に在籍していた。ロッテ関係者がこれを聞きつけて、休日と夜だけ試合に出る契約を結んだ。NPBのメジャーリーガー第1号だったが、日本とアメリカの実力差は大きく、カイリーは投げては6試合6勝、防御率1.80、打者としても19打数10安打を記録した。
カイリーは9月に除隊命令が出たためアメリカに帰国。NPBのコミッショナーは雇用形態に問題ありとして、以後、進駐軍選手の掛け持ち入団を禁止した。
ロッテの外国人選手と言えば、第一に名前が挙がるのがレロン、レオンのリー兄弟だろう。兄(登録名リー)が左打者、弟(登録名レオン)が右打者だったが、ともに長期にわたって中軸打者として活躍。兄のリーは、今年、青木宣親に抜かれるまでNPB歴代打者の最高打率を誇っていた。MLBでも実績のあるアルトマンは、ラフィーバーとのコンビで1974年金田正一監督で日本一になったチームを牽引した。
千葉ロッテで最多安打はベニー
千葉ロッテになってからは、移転後加入の外国人選手では最長の6年在籍したハワイ出身のベニー・アグバヤニが最多安打だ。MLBの1991年ア・リーグ首位打者フリオ・フランコの入団も話題を呼んだ。のち他球団に移籍したが、韓国プロ野球(KBO)で本塁打王5回、464発の歴代最多を誇る李承ヨプ、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)キューバ代表の主砲アルフレッド・デスパイネらも日本での球歴を千葉ロッテで始めている。
投手は台湾出身の荘勝雄が70勝。救援でも活躍し、33セーブを挙げた。救援投手では、1998年に来日したブライアン・ウォーレンが通算49セーブ。1999年には30セーブで最優秀救援投手に選ばれている。千葉ロッテ、巨人、東京ヤクルト、埼玉西武と渡り歩いたシコースキーも印象に残る。
毎年のように多くの外国人選手がやってくる千葉ロッテ。今季はボルシンガーが13勝を挙げて活躍したが、来季はどんな選手が活躍するだろうか?
(広尾晃 / Koh Hiroo)
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