10年ぶりの日本一から一転。来季の北海道日本ハムは若手選手主体で巻き返せるか

パ・リーグ インサイト

2017.10.5(木) 00:00

昨季、広島との壮絶な戦いを制し、10年ぶりの日本一に輝いた北海道日本ハムだったが、今季は4月に10連敗を喫するなど苦しいシーズンとなった。来季、再び巻き返すためには、投打における若手選手の台頭が不可欠である。

元々、選手の育成に定評がある北海道日本ハムであるが、今季も若手選手が多くの試合に出場し、経験を積んだ。その中で、来季に向けて期待が持てる結果を残した選手たちを見ていこう。

来季、先発ローテーション入りが期待されるのが3年目、21歳の石川直也投手だ。2016年は中継ぎで1試合の登板に終わったが、今季は開幕一軍入り。中継ぎで8月上旬まで34試合に登板すると、以降は先発転向を試みる。9月3日の千葉ロッテ戦でプロ初先発を果たし、勝ち負けこそつかなかったが5回2失点の力投。9月10日の試合では苦戦したものの、9月26日の試合で6回途中2失点と、十分な投球を披露した。来季は先発の一角として、開幕からの活躍が期待される。

吉田侑樹投手はファームで18試合に登板し、2勝1敗、防御率2.21。一軍に昇格し、今季4度目の先発となった9月18日オリックス戦では、「守りに入らないピッチングを心がけました」という強気な投球で7回5安打1失点の好投。見事プロ初勝利を挙げている。

ルーキー左腕の堀投手は一軍では中継ぎで3試合に登板。プロ初登板となった8月9日の楽天戦で2三振を奪い、堂々たる投球でデビュー。8月下旬からはファームで先発に挑戦しており、8月30日の巨人戦では5回、被安打2、奪三振6、無失点と好投。一軍初先発となった9月29日の楽天戦では、5回を投げて無四死球、1失点。黒星を喫したものの、今後が楽しみな逸材であることを自ら証明した。

一方、打者では夢の「4割打者」誕生なるかと、大きな注目を集めた近藤選手の復活が欠かせない。今季は開幕から安打を積み重ねて、4月25日には驚異の打率.462をマークした。5月10日には.396まで下がったが、すぐに盛り返して4割超えの成績を維持。ところが、6月上旬にヘルニア手術で戦列を離れることに。その後はリハビリ期間を経て9月13日のイースタン・巨人戦で実戦復帰を果たした。昇格後の9月18日の楽天戦では、復帰後初安打となる二塁打を放ち、来季に向けて着々と歩を進めている。

ルーキーながら開幕一軍入りした石井一選手は、主に二塁と遊撃でスタメン出場する機会に恵まれた。100試合以上に出場した経験は、来季以降に必ず生きるだろう。打棒を磨いてさらに存在感を高めたい。

2年目の横尾選手はシーズン終盤、めざましい活躍だった。4月下旬に登録抹消されるも、ファームでは61試合に出場して8本塁打と、持ち前のパンチ力が窺える成績で首脳陣にアピール。8月に再び一軍昇格すると、8月27日の楽天戦でうれしいプロ初本塁打を放ち、9月はお立ち台に何度も上がる活躍ぶり。中田選手に続く和製大砲誕生となるか。

最大11.5ゲーム差をひっくり返して日本一に輝いた昨季、チームは多くの魅力を備え、向こう数年はこの強さを維持するかのように思えた。しかし、スタメンの顔触れは大きく変わり、今季のレギュラーの中には、昨季主力として活躍できなかった選手も多い。様々な事情により、1年というわずかな期間でチームは変わることを余儀なくされるが、ここに挙げた選手らの活躍で来季は巻き返せるか。言うまでもなく、秋季キャンプ、春季キャンプは彼らにとって重要な期間となる。

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