16年オフに糸井がFA移籍した時には金田を選択
オリックスから国内フリーエージェント(FA)権を行使していた西勇輝投手は阪神移籍が決定した。次に注目されるのが、オリックスが阪神から獲得することになる人的補償の選手だ。
FA選手の獲得で生じる補償は旧所属球団の年俸ランクによって違い、外国人を除く上位1~3位がA、4~10位がB、11位以下はCランク。今季年俸1億2000万円(推定)だった西はBランクとみられ、人的補償や金銭補償が発生する。補償の対象となる選手はFA宣言選手の契約締結がコミッショナーから公示された日から2週間以内に阪神からオリックスへ提示される。
移籍先球団は28人までプロテクトをかけることができるが、若手有望株などがこのリストから漏れ、人的補償として新天地に移る例も多い。阪神2軍はウエスタン・リーグを優勝、ファーム日本一にも輝いた。金子千尋投手、中島裕之内野手ら主力が退団しオリックスが人的補償を要求する可能性は高い。今季の活躍や将来性、球団の生え抜きなどを総合し、プロテクト28人を予想してみよう。
【投手】(13人)
藤浪、能見、藤川、岩貞、小野、馬場、才木、秋山、望月、桑原、岩崎、高橋遥、浜地
【捕手】(3人)
梅野、坂本、原口
【内野手】(7人)
上本、鳥谷、北條、大山、糸原、陽川、植田
【外野手】(5人)
福留、糸井、高山、中谷、俊介
まずは投手を13人選んだ。日本人最多の7勝を挙げた岩貞、小野、右膝の手術を行った秋山、復活の兆しを見せる藤浪、若手では才木、望月、昨年のドラフト1位・馬場、同2位・高橋遥らはプロテクトされるだろう。生え抜きの能見、藤川らも欠かせない戦力となる。
オリックスは先発2枚が流出、野手でも中島が退団、小谷野が引退
捕手では初のゴールデングラブ賞を獲得した梅野、それを追う坂本の2人は外せない存在。原口は捕手登録ながら球団最多タイとなる代打安打「23」をマークするなど打撃で活躍した。内野手では4番として期待される大山、二塁手のレギュラーを掴んだ糸原、ケガで苦しみながらも結果を残した北條は確実。ベテランの鳥谷、FA権を行使せず残留した上本らも濃厚だ。
外野手では福留、糸井のベテランコンビ。ケガさえなければ来季もレギュラー最有力だろう。復活に期待がかる高山、中谷、守備力に定評がある俊介も有力だろう。これ以外にも投手では来季2年目の谷川、変則右腕の青柳、野手では熊谷、今季プロ入り最多となる96試合出場の伊藤隼らも微妙なラインとなりそうだ。
阪神が16年オフに糸井嘉男外野手をオリックスからFAで獲得した際には金田和之投手が流出。金田は翌17年には34試合に登板し4勝1敗、2ホールド、防御率4.15とまずまずの成績を残した。今季は10試合の登板に終わっている。
補償の対象となる選手はFA宣言選手の契約締結が公示された日から2週間以内に阪神から提示される。今季まで先発ローテを務めた金子、西と先発2枚がいなくなり、野手陣でも小谷野が引退、中島が退団したオリックスは即戦力が必要となる。これまで目立った補強をしていないチームだけに、どのような決断を下すかに注目が集まる。
(Full-Count編集部)
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