千葉ロッテの公式ホームページ「2018年ドラフト会議特集」には、ドラフト5位・中村稔弥投手(亜細亜大学)に対する山森雅文担当スカウト評がこう記されている。
「制球力抜群! 体力も抜群! ストレートは140キロ中盤で、特筆すべきはツーシームの精度の高さ。空振りも取ることができれば、ゴロの山も築くことができる」。
山森スカウトは、中村稔投手のツーシームに惚れ込んだ。同じ亜大OBの福岡ソフトバンク・東浜巨投手、横浜DeNA・山崎康晃投手らもツーシームを武器としている。
中村稔投手は「バッターに対して手応えが良かったので、投げ始めました」と3年秋から本格的にツーシームを実戦で使うようになったという。覚えた経緯については「真っすぐから落ちるようなツーシームで、打者を抑えるために投げようと思ったからです」と教えてくれた。
成績を見ても、ツーシームが与えた好影響は大きいようだ。3年春は防御率6.75と苦戦したが、「ツーシーム、スプリットを自分でコントロールできるようになってから勝てるようになりました」と、3年秋以降は防御率1.22(3年秋)、2.34(4年春)、0.96(4年秋)と、強豪ひしめく東都リーグで抜群の成績を残した。
チームメイトの藤岡裕大選手、宗接唯人選手をはじめ、球界には多くの亜大出身者がいる。中村稔投手は「対戦したい選手」として、迷わず大学の先輩である福岡ソフトバンク・松田宣浩選手の名を挙げた。「自分の持ち味である落ちる系の球を使って、抑えていきたいと思います」。「亜大ツーシーム」を操り、プロの世界でも強打者をねじ伏せていく。
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