驚異的なペースで四球を取った丸、一方で最下位だったのは…
プロ野球でも、得点能力を上昇させるにはOPSを上げるという理論が一般化してきた。OPSとは、出塁率と長打率を足した数字で、打者の打撃能力を測る指標として用いられる。メジャーでは最も重視されている指標の1つで、OPSが0.8を超えると強打者、1.0を超えるとリーグを代表するバッターとされる。
今シーズンのチーム成績を見ても、OPSが高いチームが多くの得点を挙げている。セ・リーグでは3連覇を達成した広島が得点数(721点)とOPS(.780)で首位、得点数2位(658点)の東京ヤクルトはOPSもまたリーグ2位(.749)だ。パ・リーグも同様で、リーグ1位の得点数(792点)をあげた埼玉西武のOPSも1位(.806)、2位の得点(685点)をあげた福岡ソフトバンクはOPS2位(.777)をマークしている。
長打率もしくは出塁率を上げることが、OPSの上昇につながる。そして、出塁率上昇のカギを握るのが四球数だ。
四球は最も安全に出塁することができる結果である。いい打球でも野手の正面でアウトになってしまったり、逆に弱い打球が野手の間を抜けたりと様々なケースがある。このような運に左右されるものに比べて安定しているからだ。そして、打者の四球獲得能力はBB%(四球割合)を見れば分かる。
BB%とは、打席数の中の四球の割合だ。四球÷打席数で求めることができる。2018年シーズンでのセ・リーグ平均は8.8%、パ・リーグ平均は8.5%、NPB全体では8.7%となっている。
【BB%トップ5(規定打席以上)】
◯丸佳浩外野手(広島)
四球130 BB%23.0
◯鈴木誠也外野手(広島)
四球88 BB%16.9
◯山田哲人内野手(東京ヤクルト)
四球106 BB%16.6
◯近藤健介外野手(北海道日本ハム)
四球87 BB%15.7
◯糸井嘉男外野手(阪神)
四球77 BB%15.1
歴代4位となる130四球を選んだ丸が圧倒の数値
トップだったのは今季歴代4位となる130四球を選んだ丸だった。約4.6打席に1つ四球を選んでいることになる。丸は出塁率でも歴代8位となる.468を残した。BB%パ・リーグトップの近藤は、昨シーズン規定未到達ながら26.0%と高い四球率を残しており、変わらぬ選球眼の良さを見せつけた。
【BB%ワースト5】
◯高橋周平内野手(中日)
四球30 BB%6.3
◯安達了一内野手(オリックス)
四球25 BB%4.9
◯上林誠知外野手(福岡ソフトバンク)
四球30 BB%4.9
◯ロペス内野手(横浜DeNA)
四球16 BB%3.5
◯京田陽太内野手(中日)
四球19 BB%3.0
ワーストだったのは京田で、BB%はわずか3.0%だった。打撃が低調だった今季は、出塁率もセ・リーグで唯一3割を下回る.266にとどまってしまった。フリースインガーのロペスは、例年BB%が低い傾向にあるが、ケガの影響か今季は来日後ワーストとなる3.5%を記録した。
(Full-Count編集部)
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