かつての守護神復活へ。トミー・ジョン手術を乗り越えた埼玉西武の髙橋朋投手が、待望の一軍合流

パ・リーグ インサイト 望月遼太

2017.9.30(土) 00:00

4年ぶりのAクラス入りを果たした埼玉西武に、頼もしい男が帰ってきた。かつてチームの守護神として活躍した髙橋朋投手が、約1年半ぶりに一軍に復帰。2年連続で60試合以上に登板した鉄腕が期待通りの働きを見せてくれれば、自慢の中継ぎ陣に強力なピースが加わることとなる。

髙橋朋投手は加藤学園高校、岐阜聖徳学園大学、西濃運輸を経て、2012年のドラフト4位で埼玉西武に指名された。初年度はアマチュア時代から抱えていた故障のリハビリに多くの時間を費やしたが、シーズン終盤から24試合に登板して、1勝0敗10ホールド、防御率3.38という成績を残す。ルーキーイヤーから確かな存在感を示し、貴重な左腕として首脳陣の信頼も獲得した。

翌2014年に早くも抑え投手に抜擢されると、63試合に登板して2勝1敗13ホールド29セーブ、防御率2.01という素晴らしい成績を収め、その重責を全うする。2015年は、一時調子を崩して抑えの座を離れ、再び戻った9月末に右足を骨折してシーズンを終える不運にも見舞われたものの、それでも62試合に登板して2勝3敗14ホールド22セーブ、防御率2.92という数字を残し、ブルペン陣の柱の1人としてチームを支えた。

しかし翌2016年に思わぬ事態が待ち受けていた。この年は開幕から7試合に登板して1勝0敗3ホールド1セーブ、防御率1.69という数字を残していたが、左肘の張りによって4月22日に登録を抹消される。そのリハビリの途上で再度痛みが生じたため、7月にトミー・ジョン手術へ踏み切ることに。同手術から万全の状態で復帰するまでには、一般的に約1年半が必要といわれるだけに、今季中の復帰は難しい可能性が高かった。

ところが、今年ファームで実戦復帰を果たすと、11試合に登板し、防御率2.79と復調。シーズン最終盤に差しかかった9月末になって、待望の一軍復帰にゴーサインが出た。

左の中継ぎとしては主に武隈投手と野田投手が控えている埼玉西武のブルペンだが、実力も実績も十分な髙橋朋投手が復帰すればより厚みを増し、起用法の幅も広がることだろう。度重なる怪我に悩まされながらも、プロの舞台で確かな実績を積み上げてきた髙橋朋投手。大手術を乗り越えて蘇った不屈の左腕が投じる快速球と鋭いスライダーは、今後のチームにとって頼もしい力となるに違いない。

記事提供:

パ・リーグ インサイト 望月遼太

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE