「1年でも長く頑張れ」―戦力外から東北楽天へ、由規を支えたダルビッシュの言葉

Full-Count 高橋昌江

2018.11.29(木) 22:09

東北楽天生命パークのグラウンドでポーズをとる東北楽天・由規※写真提供:Full-Count(写真:高橋昌江)
東北楽天生命パークのグラウンドでポーズをとる東北楽天・由規※写真提供:Full-Count(写真:高橋昌江)

東京ヤクルトを戦力外も地元球団の東北楽天と育成契約「恩返しをしたい」

 東京ヤクルトを戦力外になり、28日に東北楽天と育成契約を結んだ由規投手。生まれ育った仙台で、背番号「123」から再出発する。

「今日、契約を終えるまでは実感がわかなかったんですけど、やっと、少しずつですけど、実感がわいてきました」

 プロ12年目の来季、東北楽天でプレーすることが決まり、由規は安堵の表情を浮かべた。仙台で生まれ育ち、仙台育英高時代は甲子園最速(当時)の155キロをマーク。2007年の高校生ドラフトで5球団競合の末、東京ヤクルト入りした。25試合に先発し、12勝を挙げた入団3年目の8月には161キロを出した。

 しかし、13年に右肩を手術。12年から4シーズンは1軍の登板がなく、16年には育成契約も経験した。右肩の故障に苦しみながらも復活の道を歩んでいたが、今年6月2日の東北楽天戦(楽天生命パーク宮城)で右肩の違和感を訴え、それ以降、2軍での登板もなかった。東京ヤクルトから来季の契約を結ばないことを伝えられたが、現役続行を希望。地元・東北楽天から声がかかった。

「怪我をしてしまって、こういう状況になってしまったんですけど、どうしても野球がやりたいという気持ちで(現役続行を)決断した中、地元・仙台の東北楽天イーグルスさんに声をかけていただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。活躍することがイーグルスにとってもスワローズにとっても恩返しになると思う」

 右肩の状態については「今は痛みなくキャッチボールもできていますし、順調に進んでいると思います」と話し、キャッチボールの距離は40メートルほど。「期間は決められていますが、慌てずに」とプランを持って、復帰へ一歩ずつ進んでいくつもりだ。

 自主トレを一緒に行ったことがあるダルビッシュ(カブス)からの激励も力に変える。「戦力外になった時に連絡をいただいて、いろいろ気にかけてくれました。今の肩の状態とかを相談しましたし、東北楽天に決まった時も報告させていただきました。ありがたいなと思います」と由規。ダルビッシュからは「1年でも長く頑張れ」とエールを送られたという。

 東北楽天の2019年のスローガンは「RESTART! 日本一の東北へ」。由規は「心機一転というか、東北楽天イーグルスのチームスローガンがリスタートということで、僕自身も新たなスタートだと思います。野球人生をかけてもう一度、新鮮な気持ちで来季は臨みたいなと思います」と誓う。再出発の地は故郷・仙台。「これだけ怪我や離脱をしながらも応援をいただいていました。地元に帰ってこられたので、恩返しをしたいと思います」。杜の都で再び、輝きを取り戻す。

(高橋昌江 / Masae Takahashi)

記事提供:Full-Count

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