13年の日本一が「最高の誕生日」 12年盗塁王の東北楽天・聖澤諒選手が現役生活に別れ

パ・リーグ インサイト

2018.11.23(金) 15:55

 東北楽天から来季の構想外であることを告げられていた聖澤選手が、23日の「楽天イーグルスファン感謝祭2018」で正式に現役引退を表明した。

 聖澤選手は国学院大学から2007年の大学生・社会人ドラフト4巡目で東北楽天から指名を受けて入団。「プロのレベルの高さを肌で感じ、長くはこの世界でやっていけない」と感じたというプロ1年目だが、3月20日の開幕戦に守備固めとして一軍デビューを果たすと、5月24日に本拠地のKスタ宮城でプロ初盗塁、8月26日には埼玉西武のキニー氏からプロ初安打を放った。

 2010年に「一番・中堅」へ定着すると、11年はリーグ2位の52盗塁、12年には54盗塁を記録して盗塁王に輝いた。同年にはリーグ最高の得点圏打率.373をマークしており、プロ入団会見で「勝負強さと足は売り」と語っていたとおりの活躍でチームに貢献している。

「名球会の先輩方の成績に比べたら僕の成績なんて大したことありません」と語りながらも、通算197盗塁は球団史上最多記録で、1034試合と20三塁打も同2位。俊足を生かした外野守備では広い範囲をカバーしながら、927守備機会無失策のプロ野球記録を樹立した。

 そして、球団創設初の日本一に輝いた13年を「日本一になった11月3日は僕の誕生日でもあります。最高の誕生日になったのを、今でも鮮明に覚えています」と振り返り、11年のプロ野球生活を総括した。

「楽しい思い出もたくさんありますが、苦しい思い出のほうが多かったかもしれません。しかし、そんな苦しい時にファンの皆さんからの声援が僕のことを後押ししてくれ、何とか11年もこの世界で生きていくことができました。僕が大事にしている『使命感』という言葉があります。誰かのために働く人間は強い。そんな意味です。自分のため、そんなわがままな考えだったらこんなにも長くこの世界でやっていけなかったと思います。両親のため、家族のため、友人のため、チームのため、ファンの皆さんのためにとやってきたからこそここまで続けることができました」

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