今日ZOZOマリンスタジアムで行われる北海道日本ハム戦は、今季限りで21年の現役生活に終止符を打つ井口選手の引退試合。千葉ロッテの選手たちは全員「背番号6」のユニホームを身に着けて戦う。先発マウンドに上がるのは涌井投手だ。今日はエースらしい投球で、大ベテランの花道を飾りたい。対する北海道日本ハムの先発は高梨投手。今季はここまで1つ負けが先行しているが、直近4試合の内容は安定している。昨季新人王の力を見せたい。

初回、涌井投手は2者連続三振を含む完璧な立ち上がり。3回まで3イニングス連続で北海道日本ハム打線を3者凡退に抑えると、3回裏、先頭の加藤選手が打った瞬間それと分かる第5号先制弾を放つ。投打をかみ合わせて、千葉ロッテが1点の先制に成功した。

涌井投手は4回表、2番・松本選手から三振を奪い、通算1500奪三振の記録を達成。その後も5回まで北海道日本ハム打線を1安打に抑え込み、圧巻の投球を披露する。対する高梨投手は毎回のように走者を出すも、要所を締めて追加点を許さない。千葉ロッテが1点リードのまま、試合は静かな展開が続いた。

涌井投手は6回途中無失点で緊急降板し、7回表、千葉ロッテの3番手・南投手を北海道日本ハム打線が捉えた。先頭の松本選手が安打で出塁し、続く大谷選手が四球を選ぶと、4番・中田選手と5番・レアード選手が連続の適時打。スコアを2対1とし、試合終盤で北海道日本ハムが逆転に成功した。

8回表にも、1番・西川選手の適時三塁打で北海道日本ハムが追加点を挙げる。しかし、2点を追う千葉ロッテの9回裏、劇的な展開が待っていた。代打の清田選手が安打を放ち、無死1塁の場面、6番・井口選手が自らの引退試合に花を添える値千金の同点2ラン。土壇場で3対3の同点に追い付き、千葉ロッテがしっかりと意地を見せた。

10回、11回は両チームの中継ぎ陣が踏ん張り、ともに無得点に終わる。同点のままで迎えた延長12回裏、先頭の代打・肘井選手が二塁打で出塁し、1番・加藤選手が犠打を決め、続く荻野貴選手は敬遠で1死1,2塁の場面。この絶好機で、キャプテン・3番・鈴木選手が大声援に応える劇的サヨナラ打を放つ。

延長12回まで及んだ井口選手の引退試合は、加藤選手、井口選手、鈴木選手の殊勲打により、4対3で千葉ロッテが勝利。先発の涌井投手は完璧に試合を作り、その良い流れを一度は北海道日本ハムに引き渡してしまったものの、この試合の主役である井口選手が同点弾で全てを振り出しに。延長戦では、井口選手の意志を継ぐ後輩たちが頼もしい姿を見せた。