福岡ソフトバンクに目前でリーグ優勝を決められた土曜日の試合から一転、昨日はサヨナラ勝利を収め、この3連戦の勝敗を1勝1敗の五分とした埼玉西武。今日の先発・ウルフ投手は8月6日に9勝目を挙げて以降、1カ月以上勝ち星から遠ざかっている。今カードの勝ち越しに加え、自身5年ぶりとなる2桁勝利に向けて、どのような投球を見せてくれるか。

対して、今季メットライフドームでの最終戦となる福岡ソフトバンクは、和田投手が先発のマウンドに上がる。故障からの復帰後、3試合に登板し失点はわずかに2と、抜群の安定感を誇る和田投手。3試合連続で2桁安打を放っている打線にも期待しながら、連勝を狙う。

ウルフ投手が1回表を10球で終わらせる快調な立ち上がりを見せると、それに応えるように埼玉西武打線も初回から攻勢に出る。1番・秋山選手、2番・源田選手が連打を放ち、無死1,2塁とすると、続く浅村選手が中前に適時打を運び、上位打線の3連打で埼玉西武が先制に成功。さらに1死2,3塁となってから、5番・森選手の適時三塁打、6番・栗山選手の犠飛でも追加点を挙げ、この回埼玉西武は和田投手から一挙に4点を奪った。

いきなり4点を追いかける展開となった福岡ソフトバンクだったが、2回から強力打線が爆発する。まずは2回表、4番・柳田選手の31号ソロで3点差とし、3回表には先頭の高谷選手が安打で出塁すると、9番・高田選手が犠打を決め、1死1,3塁から2番・今宮選手、3番・中村晃選手が連続適時打。続く好機は、埼玉西武の2番手・平井投手の前に無得点に終わったものの、福岡ソフトバンクが瞬く間にスコアを4対4とし、同点に追い付いた。

勢いの止まらない福岡ソフトバンク打線は、続く4回表にも埼玉西武投手陣を攻め立てる。1死から8番・高谷選手が死球で、9番・高田選手が安打で出塁すると、1番・明石選手が四球を選び、満塁となる。この好機にまずは2番・今宮選手が右前に勝ち越し打を放ち、さらに中村晃選手も左前に適時打を運んで2者が生還。1死1,2塁から4番・柳田選手が四球を選び、再び塁が埋まると、2死から敵失と7番・上林選手の走者一掃の適時三塁打で、4点を追加。打者一巡となる怒涛の攻撃で、福岡ソフトバンクがこの回7点リードを握った。

一転して7点のビハインドを背負った埼玉西武は、4回裏に1点を返すと、6回裏に8番・外崎選手、9番・炭谷選手の連打に加え、1番・秋山選手の24号2ランで3点を返す。スコアを8対11とし、3点差に詰め寄って試合は終盤へと突入した。

迎えた7回裏、埼玉西武は4番・山川選手の二塁打、6番・栗山選手の安打で1死1,3塁とこの回も得点圏に走者を運ぶ。ここからまずは7番・中村選手が犠飛を決めて1点を返すと、2死2塁となってから8番・外崎選手が放ったこの日3本目の安打が適時打となり、さらに1点を加える。最大7点のビハインドを背負っていた埼玉西武だったが、スコアを11対10とし点差はわずか1点。試合の行方は再び分からなくなった。

6回裏、7回裏と得点を重ね、勢い付く埼玉西武打線は、続く8回裏にも猛威を振るう。2死から3番・浅村選手と4番・山川選手が四球を選んで2死1,2塁とこの回も好機を作る。ここで5番・森選手が中堅フェンス直撃の適時三塁打を放ち、2点を奪った埼玉西武が逆転に成功。試合終盤にして再びリードをつかんだ。

埼玉西武の1点リードで迎えた9回表、マウンドには守護神・増田投手が上がった。しかし、今季のパ・リーグ覇者はそう簡単に屈しない。先頭のデスパイネ選手が甘く入った変化球を叩くと、打球は大きな弧を描いてバックスクリーンへ。単独リーグトップを走る34号ソロで、福岡ソフトバンクが同点に追い付いた。

9回裏に埼玉西武は得点を奪うことができず、延長戦に突入した10回表。福岡ソフトバンクは、先頭の川島選手が左翼線への二塁打を放ち、1番・明石選手が初球で犠打を決めて1死3塁とする。この好機に、2番・今宮選手が適時打を放って1点を勝ち越し。福岡ソフトバンクが再びリードを奪った。

試合を締めくくるべく、福岡ソフトバンクのマウンドにはモイネロ投手が上がる。しかし、今日の埼玉西武は簡単に終わらない。先頭の源田選手が三塁線を破る二塁打を放つと、1死から代打・坂田選手は四球を選び、またも得点機を作り出す。ここで打席に入るのは、8回裏に起死回生の逆転適時三塁打を放った森選手。期待が高まる中3球目を弾き返すと、打球は二塁手のグラブを弾き右前へ。そして、続く金子侑選手が左翼線深くに適時二塁打を放ちサヨナラの走者が生還。粘り強い一打でシーソーゲームに終止符を打ち、埼玉西武が試合を制した。

両軍合わせて34安打を放ち、逆転に次ぐ逆転となった試合は、14対13で埼玉西武が勝利。10回表に登板し、追加点のピンチを凌いだ牧田投手が今季3勝目を挙げた。20安打と打線が爆発した埼玉西武だったが、中でも1人で5打点を稼いだ森選手の活躍が光った。2試合連続のサヨナラ勝利で、今カード勝ち越しとなった埼玉西武。優勝チームに対して一歩も譲らぬ戦いで、2位の座をしっかりと守った。

対する福岡ソフトバンクは、投手陣が総崩れし接戦を落とす結果に。打線が粘り強く得点を重ねていただけに、悔しい敗戦となった。