SMBC日本シリーズ2018は、リーグ2位から駆け上がった福岡ソフトバンクがセ・リーグ王者の広島を下し、日本一に輝いた。王者が華やかなスポットライトを浴びる一方で、ポストシーズンに進めなかったチーム、クライマックスシリーズで敗れたチームは、すでに秋季練習や秋季キャンプをスタートさせ、早くも来季に向けてのスタートを切っている。
井口新監督の1年目を終えた千葉ロッテは、ロッテ浦和と鴨川でそれぞれ練習、キャンプを実施しているが、昨年に続き今年もその途中に台湾へ遠征し、現地で試合を行う。昨年はアジアプロ野球チャンピオンシップに出場予定だった台湾代表チームと計3試合を行ったが、今年は4季連続(2年連続で前期後期の)リーグ優勝、そして台湾シリーズを制覇して2年連続6度目の台湾一に輝いたLamigoモンキーズと「桃園最強Power Series 2018 日台バトルカップ」と銘打った3連戦を迎える。
今回の遠征では、千葉ロッテは田村龍弘、中村奨吾、井上晴哉といった主力選手を軸に、岩下大輝、種市篤暉、そして安田尚憲といった将来の主力候補たちが経験を重ねるべく参加予定。対するLamigoも、オフの日本移籍が予想される「大王」こと王柏融を中心としたフルメンバーで臨む予定となっている。今回の千葉ロッテはフレッシュな面々が揃うチーム構成ではあるものの、王柏融が日本のチームに対して残す結果・成績が、昨年以上に大きな注目を集めるカードとなりそうだ。
「さまざまな面でご協力をいただいているLamigoさんの多大なご理解とご協力で、国内独占配信は実現している」と、今年も千葉ロッテの台湾遠征を国内独占配信するパーソル パ・リーグTVの上野友輔氏はLamigoとの密接な関係を語る。「Lamigoさんは日本にまつわるさまざまなコンテンツを球場で展開する一環で、パ・リーグをはじめとする日本プロ野球とのコラボにも積極的に取り組んでいる。PLMとしても台湾での放映権販売をはじめとする台湾でのプロモーションを行っており、交流は相互のメリットが一致する。大変な協力をいただけているLamigoさんには感謝しかない」(上野氏)という。
パ・リーグとLamigoのコラボにおいては、今年の5月11~13日に桃園で行われた日本イベント「YOKOSO桃猿」に北海道日本ハムがチアとキャラクター、東北楽天と千葉ロッテがキャラクターを派遣し、台湾の野球ファンとのタッチポイントを作った。またイベント以外でも、Lamigoは千葉ロッテが春季キャンプを行う石垣島へ遠征して交流試合を2016年から毎年実施しており、今年は2・3月に札幌へ遠征して北海道日本ハムとの交流試合も行うなど、日本との接点づくりが盛んだ。
もちろんビジネスの側面で相互のメリットが合致することは大事だが、それ以上に「野球を通じて国境を超えたファンを増やし、そこからスポーツの外にまではみ出るような日台交流につなげたい」(上野氏)という、相互の担当者間の思いもある。
パーソル パ・リーグTVにとっては、どうしてもイベント以外のコンテンツが不足がちなオフシーズンに、貴重な「本業」の野球コンテンツとして提供できるのが今回のLamigo対千葉ロッテの試合。それが成り立つのは、日本と台湾間のビジネスを通じて強い結びつき、そして共通の目標があるからこそ、のようだ。
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