高卒の「大谷世代」で分かれる明暗 6選手が今オフに戦力外通告受ける

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2018.11.6(火) 07:45

東北楽天・下妻貴寛※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
東北楽天・下妻貴寛※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

10勝、月間MVPの3年後に戦力外になった中日・若松

 エンゼルス・大谷翔平投手と同学年の1994年4月~95年3月生まれの「大谷世代」と呼ばれる選手は、今や各球団の主力として活躍している。高卒なら広島・鈴木誠也、千葉ロッテ・田村龍弘、阪神・藤浪晋太郎、北條史也、埼玉西武・相内誠ら、大学・社会人を経由してのプロ入りでは、広島・西川龍馬、阪神・大山悠輔、小野泰己、中日・京田陽太、笠原祥太郎、東北楽天・田中和基、横浜DeNA・濱口遥大、巨人・吉川尚輝らがその世代だが、一方で今オフにも、戦力外通告を受けた選手もいる。

 大谷と同じ高卒でプロ入りし、今オフに戦力外通告を受けた「大谷世代」の選手は次の6人だ。

・若松駿太投手(中日)
・辻東倫内野手(巨人)
・辻空投手(広島)
・下妻貴寛捕手(東北楽天)
・森本龍弥内野手(北海道日本ハム)
・笠原大芽投手(福岡ソフトバンク)

 ある程度1軍で起用されたのが、中日の若松、巨人の辻、東北楽天の下妻、そして福岡ソフトバンクの笠原の4人だ。

 若松はプロ3年目の2015年、先発ローテーションの一角として23試合に登板。規定投球回にあと一歩の140イニングを投げ10勝4敗、1完封、防御率2.12。8月は4勝を挙げ月間MVPにも選ばれたが、翌年は19試合で7勝8敗、防御率4.06。2017年は7試合で1勝4敗、防御率5.55と成績が年々下降していき、今季は右肩の故障もあって1軍登板機会がなかった。

 巨人を戦力外となった辻は2016年15試合、2017年18試合に出場。スタメン起用された試合もあり、左打ちの内野手として、なかなか固定できない巨人の二塁手のポジション争いに一時は名乗りを挙げた。今季も2軍では打率.315、2本塁打、26打点の成績を残したが、二塁手には2016年ドラフト1位の吉川尚輝、2017年5位の田中俊太、2015年5位の山本泰寛らが使われ、1軍では8試合の出場に終わった。

 酒田南時代には主将として甲子園で選手宣誓も行っている東北楽天の下妻は、2014年に初の1軍出場。2015年には4試合に出場。2016年には1軍出場機会はなかったものの、U-23ワールドカップに出場した侍ジャパンU-23に選出された。2017年には8試合に出場してプロ初安打。しかし、東北楽天は2015年のドラフトで堀内謙伍を指名し、2017年オフには福岡ソフトバンクから山下を獲得。今季は1軍出場がなかった。

 北海道日本ハムから2位指名を受けた森本は大型遊撃手として期待されたが、1軍では2017年に5試合出場、9打数1安打、打率.111。今季はファームで43試合に出場したが、打率.228、4本塁打、11打点と結果を残せなかった。

 ドラフト5位で福岡ソフトバンクに入団した笠原。2017年には中継ぎとして1軍で6試合に登板。飛躍を期待された今季だったが、わずか1試合の登板に終わり、11月4日に戦力外通告を受けた。福岡ソフトバンク側は育成契約で再契約する意向を持っている。育成契約でプロ入りした広島の辻は2015年に支配下登録となるも、1軍公式戦への出場がないまま戦力外通告となった。

 高卒の大谷世代は今年すでにプロ入り6年目。活躍している選手がいる一方、昨年までにもすでに多くの選手が戦力外を通告され、プロの世界に別れを告げている。明暗が分かれ、転機を迎えつつある「大谷世代」。ここから先はチーム内競争もさらに激しくなっていく。

(Full-Count編集部)

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