支配下70選手、ドラフト7選手指名で12人程度の人員整理は必須だった
2年連続の日本一に輝いた福岡ソフトバンク。パ・リーグ2位からクライマックスシリーズ を勝ち上がり、ファイナルステージではリーグ王者の埼玉西武を4勝2敗で打ち破った。“下克上”を果たして進出した日本シリーズでは第3戦から怒涛の4連勝。4勝1敗1分けで広島を撃破し、3日の第6戦で日本一の座を掴み取った。
衝撃が襲ったのは、日本一決定から一夜明け、まだ歓喜の余韻すら残る4日だった。球団は、五十嵐亮太投手、攝津正投手、寺原隼人投手、吉村裕基外野手、城所龍磨外野手、そして笠原大芽投手、張本優大捕手、茶谷健太内野手に来季の契約を結ばない旨を通告した。笠原、張本、茶谷の3選手とは育成契約を結ぶ意向があるが、大ベテランを中心に計8選手を戦力外とするのは異例の事態だった。
福岡ソフトバンクは第1次戦力外通告期間で小澤怜史投手、黒瀬健太内野手、古澤勝吾内野手の3選手にも戦力外を通告している(この3選手とも育成再契約を検討)。今季限りで現役を引退した本多雄一内野手を含めると、実に支配下だけで12選手が戦力外ないし引退により、支配下から外れることになる。また育成選手7人にも戦力外通告を行っており、実に18選手に通告を行った。
今季はシーズン中に故障者が続出したことによる補強もあり、支配下登録枠上限いっぱいの70人に達している福岡ソフトバンク。先日行われたドラフト会議では1位の甲斐野央投手、2位の杉山一樹投手、3位の野村大樹内野手ら計7選手を指名した。近年は4、5人のドラフト指名だった福岡ソフトバンクにとってはやや多めの指名だった。
通常、各球団はシーズン中の不測の事態などを想定し、支配下登録は65人前後でスタートする。そのために福岡ソフトバンクは、どうしても12人程度、人員を整理する必要があった。
編成トップの三笠統括本部長「中長期的に強いチームを作る上で」
このドラスティックな戦力の整理は、大幅なコストカットにも繋がることになる。福岡ソフトバンクといえば、12球団ナンバーワンの高年俸球団。今季は1億円プレーヤーが17人在籍し、4億円プレーヤーが8人。桁違いの数字が並ぶが、億円プレーヤーの攝津、五十嵐が構想外となり、本多が引退。推定11億円超の選手年俸を圧縮したことになる。
福岡ソフトバンクの三笠杉彦球団統括本部長は4日の戦力外通告後に「戦力外にするのは、こちらとしても心苦しいところ。今年は日本一になりましたが、中長期的に強いチームを作る上でのこと」と説明。中長期的な視点から、大幅な戦力整備に踏み切った。
現役引退決意もしくは戦力外通告を受けた選手の、今季推定年俸と成績は以下の通り。
【支配下】
・現役引退
本多雄一(1億8000万円)
33試合85打数22安打1本塁打8打点 .259
・戦力外
攝津正投手(4億円)
7試合2勝4敗0セーブ0ホールド 防御率5.16
五十嵐亮太投手(3億6000万円)
23試合0勝1敗0セーブ2ホールド 防御率4.50
寺原隼人(4500万円)
21試合0勝0敗0セーブ4ホールド 防御率2.39
城所龍磨(4000万円)
41試合24打数4安打1本塁打2打点 .167
吉村裕基(4000万円)
1軍出場なし
小澤怜史(700万円、育成再契約検討)
1軍出場なし
黒瀬健太(500万円、育成再契約検討)
1軍出場なし
古澤勝吾(590万円、育成再契約検討)
1軍出場なし
笠原大芽(620万円、育成再契約検討)
1試合0勝0敗0セーブ0ホールド 防御率9.00
張本優大(510万円、育成再契約検討)
1軍出場なし
茶谷健太(520万円、育成再契約検討)
1軍出場なし
【育成】
投手
伊藤祐介、齋藤誠哉、山下亜文
捕手
樋越優一
内野手
森山孔介、松本龍憲
外野手
幸山一大
(Full-Count編集部)
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