当初は懐疑的で「二刀流なんてありえないと思っていた」
日本人では2001年のイチロー(マリナーズ)以来17年ぶりの新人王受賞の期待がかかるエンゼルス・大谷翔平投手。10月上旬に二刀流右腕を同誌の新人王に選んだ米野球専門誌「ベースボール・アメリカ」はこの度、大谷の特集記事を掲載している。
同誌は大谷のチームメートで2度リーグMVPに選ばれているマイク・トラウト外野手、今季4年ぶりにポストシーズンに進出したアスレチックスで主力として活躍したスティーブン・ピスコッティ外野手、ジェド・ラウリー内野手にインタビュー。メジャーを牽引する3選手は、大谷を絶賛している。
まずはトラウトだ。「二刀流なんてありえないと思っていた」と当初は懐疑的だったことを同誌の取材に対して明かしつつ、スプリング・トレーニングで大谷のプレーを見て「彼が投げて打つのを見た時に『この男はここで成功するのに必要な全てを持っている』と思った。100マイル(約161キロ)を投げ、500フィート(約152メートル)の本塁打を打てる。アンビリーバブルだった(信じられなかった)」と考えが変わったという。
そして球界ナンバー1選手の呼び声が高い男が目を見張るのは、大谷の飽くなき向上心だ。「彼は『向上し続けたい』と思っていて、その闘争心を消すことはできないんだ。(彼がしたことをするには)素晴らしい心構えを持っていなければならない。自分に厳しくなければならない」と称賛。記事の中で、野球への心構えだけでなく、大谷の持つ人間性も称えている。「彼は質問をたくさんするんだよ。それに彼が怒っているところを見たことがない。いつも笑顔なんだ。恐ろしいね。今年は良い成績を残したが、メジャーリーグを学んで理解するまで待ってみよう」と今後への期待も口にしている。
ライバルも脱帽「彼は衝撃的だった」「この男は本物のスーパースター」
ライバルとして戦ったピスコッティ、ラウリーは二刀流としての才能に舌を巻く。大谷は今季の対アスレチックス戦で投手では2戦2勝、防御率2.08。計13回で18奪三振と圧倒した。広角へ飛ばす打撃が持ち味で今季27本塁打、88打点をマークしたピスコッティは「彼はとてもアグレッシブに投げた。僕たちと対戦した時に明らかに試合を支配していて、何度も何度も何度も三振を奪っていた。彼は衝撃的だった。シーズンを通してできれば、とても特別な存在になるだろう」と称賛。今季23本塁打、99打点と勝負強い打撃を見せたラウリーも「見ていて楽しいよ。彼が登板していて自分が打席に立っていない時は特にね。彼の投球はカウントが有利になると、さらに圧倒的になる」と同誌に振り返っている。
一方の打撃では、対アスレチックス戦で10試合出場し、36打数10安打の打率.278、1本塁打、6打点、1盗塁を記録した。ピスコッティは「外野手として、彼のことを走れるパワーヒッターだと思っている。彼はとても洗練されている」とした上で、「この世代を代表する選手だ。特別で珍しい。これほどうまく両方ともこなすのは素晴らしいよ」とべた褒め。ラウリーも同誌の取材に対して「ルーキーで300打席くらいで20本塁打、20二塁打を打った。10打席に1回長打を打つのは、とても良い打者だよ。彼がしていることはとても素晴らしい。この男は本物のスーパースターだ」と締めくくっている。
ヤンキース・アンドゥハーとの一騎打ちと見られている新人王は12日(日本時間13日)に発表される。敵味方に関係なく、投打で称賛される大谷が栄冠をつかめるのか注目される。
(Full-Count編集部)
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