35歳になっても持ち前の長打力は衰え知らず。千葉ロッテ・ペーニャ選手が豪快アーチを描き続ける

パ・リーグ インサイト 望月遼太

2017.9.14(木) 00:00

福岡や大阪の地でいくつものアーチを描いてきたその打棒は、35歳になった今も不変だ。今季途中から千葉ロッテの一員となったペーニャ選手が、9月6日の埼玉西武戦でシーズン10本塁打に到達した。6月に加入してからしばらくは快音が聞かれず苦しんでいたが、8月以降だけで2桁本塁打を記録する大爆発で、チーム全体を上昇気流に乗せている。

2004年にはMLBで26本塁打をマークするなど、長距離砲として鳴らしたペーニャ選手。2012年に福岡ソフトバンクに入団すると、そのシーズンにリーグ3位となる21本塁打を記録して自身の長打力を証明する。オリックスに移籍して迎えた2014年は、リーグ2位となる32本塁打を放つ活躍を見せ、チームが優勝争いを演じる上で重要な役割を果たした。

翌年に移籍した楽天でも17本塁打を記録したが、結果的には3年連続で自由契約。そんなペーニャ選手に今季白羽の矢を立てたのは、福岡ソフトバンクに移籍したデスパイネ選手の穴を埋められず、長打力不足に悩んでいた千葉ロッテだった。今季6月に久々の来日が決定し、苦しむチームの救世主として大きな期待が寄せられた。

しかし、2年ぶりの日本球界ということもあってか適応に苦しみ、期待されていた本塁打は7月までに0本。「チームの状況、自分の状態を考えすぎてボール球に手を出してしまっていた」と本人が語った通り、主砲としての重責に苦しめられる日々が続いていた。

だが、ZOZOマリンスタジアムで行われた8月2日の北海道日本ハム戦、2回裏、ついに待望の移籍後第1号。6回裏にはこの試合2本目となる本塁打を左翼に放ち、お立ち台では「今日この1本が出て、これからどんどん出て行くと思うので、これから期待しておいてください」と今後の爆発を”予言”してみせた。

その言葉通り、それ以降のペーニャ選手は長距離砲としての存在感を存分に発揮し始める。8月以降の36試合だけで12本塁打を放ち、あっという間にチーム本塁打王に躍り出た。そしてペーニャ選手の復調とともにチーム状態も上向き、8月22日からは上位の楽天と福岡ソフトバンクを相手に2カード連続で勝ち越しを決めた。

ペーニャ選手は、これで日本球界4度目の2桁本塁打到達。異なる4球団で2桁本塁打をマークするのは、史上4人目の記録となる。パ・リーグの4球団で2桁本塁打を達成した外国人選手は、ホセ・フェルナンデス氏に次いで2人目。35歳という年齢で所属チームが確定しない状況に置かれながら、諦めることなくトレーニングを続けてきたペーニャ選手。シーズンも残り少なくなってきたが、この日本で酸いも甘いも味わってきた大砲の豪快な打棒から今後も目が離せない。

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パ・リーグ インサイト 望月遼太

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