セ・リーグ勢は日本S敵地で12連敗中 最大のポイントとなる指名打者の成績

Full-Count 広尾晃

2018.10.30(火) 14:05

広島・緒方孝市監督※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
広島・緒方孝市監督※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

調子がつかめる前に終わってしまう短期決戦

 1勝1分けでホームでの2試合を終えた広島だが、日本シリーズでセ・リーグ球団は敵地12連敗中。30日から始まる福岡ソフトバンクの本拠、ヤフオクドームでの3連戦が非常に重要になる。ポイントは「指名打者」だろう。

 指名打者制を導入していないセ・リーグは、日本シリーズのパ主催試合では、限定的に指名打者を作らなければならない。これがうまくいっていないのだ。

2013年から5年間の、セ・リーグ指名打者の打撃成績。

2013年 巨人(高橋由伸)
4試15打2安0本1点 打率.133

2014年 阪神(西岡剛、新井良太)
3試12打3安0本0点 打率.250

2015年 東京ヤクルト(バレンティン)
2試6打0安0本0点 打率.000

2016年 広島(エルドレッド、新井貴浩、赤松真人)
3試12打3安1本2点 打率.250(赤松は打席に立たず)

2017年 横浜DeNA(細川成也、乙坂智、白崎浩之)
3試12打3安1本1点 打率.250

 5年間で58打数11安打2本塁打4打点、打率.190。それなりの強打者をそろえているものの打線の中心にはなっておらず、指名打者を固定できなかったチームも多い。短期決戦だけに、調子をつかむ前に終わってしまう印象だ。広島は指名打者に誰を起用するかが一つのカギになるだろう。

交流戦での指名打者では松山、西川、バティスタらが良績

 とはいえ、交流戦が始まってから、セ・リーグのチームはパの主催試合で指名打者を立てて戦うようになった。全くの未知数ではなくなっている。

 2014年から2018年まで、過去5年の広島の交流戦での指名打者の成績をまとめてみた。途中交代の選手を除く。

松山竜平 13試40打14安1本5点 打率.350
エルドレッド 9試31打4安0本3点 打率.129
新井貴浩 9試31打9安1本4点 打率.290
キラ 7試24打2安1本1点 打率.083(退団)
西川龍馬 3試11打4安0本0点 打率.364
ロサリオ 2試8打3安1本4点 打率.375(退団)
バティスタ 2試8打3安1本3点 打率.375
高橋大樹 2試6打0安0本0点 打率.000

 2014年はセ・リーグの主催試合で指名打者を導入していた。セの指名打者は外国人選手やベテラン選手が起用されることが多い。交流戦では結果を出している選手が結構いる。

 2018年は松山竜平、新井貴浩、バティスタの3人が起用されたが、松山は17打数6安打1本塁打7打点と活躍した。彼が第一候補だろう。今季は初めて規定打席に達したが、一塁56試合、外野48試合とポジションは固定されていない。指名打者として中軸を打つことも考えられる。西川龍馬、バティスタも有力候補だ。

 大事なことは、3試合、選手を固定して戦うことではないか。短い期間でも経験を積めば、結果を出す可能性は高まるだろう。

 もともと福岡ソフトバンクとは相性が良くない広島だが、3連戦で1勝でもあげることができれば、5分の星で本拠地に戻ってくることができる。

 30日からの広島の戦いに注目したい。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

記事提供:Full-Count

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