チームのため、そしてライバルへ。北海道日本ハム・中田選手、意地の一発

パ・リーグ インサイト

2016.6.15(水) 00:00

メットライフドーム(C)PLM
メットライフドーム(C)PLM

終盤まで息詰まる投手戦。そこから展開されたアーチ合戦。勝負を決めたのは、主砲・中田選手の一発だった。北海道日本ハムが15日、延長戦で横浜DeNAを下し3連勝。延長10回2死、相手投手・三上投手の初球をすくい上げるようにして振り抜くと、高々と上がった打球は左翼スタンドへ。「打った瞬間はレフトフライかと思った」と本人が振り返ったように、ハマスタの風も手伝っての本塁打となった。5日・巨人戦以来8試合ぶりの13号が、チームに白星をもたらした。

高梨投手と石田投手の両先発が、互いに得点を許さずゼロ行進。6回1安打無失点と好投した高梨投手に勝利をつけられなかったことで、中田選手は責任を感じていた。「高梨がすごく良くて、僕らが点を取れれば良かったけど、チャンスをつぶしてしまった」。加えてここ3試合は12打数1安打。「ここ何試合か貢献できず、すごく歯がゆかった」。たまっていたフラストレーションをバットに込めてのフルスイングだった。

試合が動いたのは9回1死2塁。代打の矢野選手が、左中間へ今季1号の2ランを放つ。昨年、巨人から途中加入したベテランは、移籍後最初の対戦相手だった横浜DeNAとの試合で、6月14日のカード3戦目に、移籍後初本塁打を放っている。この日、1年前の光景を思い出した北海道日本ハムファンは少なくないだろう。しかも相手守護神・山崎康投手から価値ある一撃。だが、これで終わりではなかった。

9回裏2死1塁。今度は相手主砲の筒香選手が左翼へ2ランを放って追いつく。土壇場の状況で、逆方向に突き刺す15号で、一気に試合を振り出しに戻した。中田選手と筒香選手。ともに侍ジャパンの常連選手で、4番の座を狙うライバルでもある両者。中田選手は「誰がどう見てもすごいバッター」と敬意を表しつつ「自分も負けられない」と言わんばかりの決勝のホームランを放った。今宵のハマスタは、投打でしびれる展開が繰り広げられた。

交流戦は残り4試合。順位は上位5球団がパ・リーグのチームで固まった。各チームが好調なだけに、ひとつでも多く白星を重ねてリーグ戦再開を迎えたいところだ。北海道日本ハムでは、間違いなく中田選手のバットがカギを握ることになる。

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