巨人に歯が立たなかった南海時代、福岡ダイエー時代もON対決に敗れる
福岡ソフトバンクホークスは18回目の日本シリーズ出場、広島東洋カープは8回目。ともに強豪チームとして日本一の覇権を争ってきた歴史を持つ。両者の対戦は初顔合わせだ。これまでの日本シリーズでの戦績を見ていこう。
ホークスは親会社が2回変わっているが、それぞれの時代で日本シリーズに進出している。
○南海時代
1951年 ●1勝4敗 巨人(鶴岡一人監督)
1952年 ●2勝4敗 巨人(鶴岡一人監督)
1953年 ●2勝4敗1分 巨人(鶴岡一人監督)
1955年 ●3勝4敗 巨人(鶴岡一人監督)
1959年 ○4勝0敗 巨人(鶴岡一人監督)
1961年 ●2勝4敗 巨人(鶴岡一人監督)
1964年 ○4勝3敗 阪神(鶴岡一人監督)
1965年 ●1勝4敗 巨人(鶴岡一人監督)
1966年 ●2勝4敗 巨人(鶴岡一人監督)
1973年 ●1勝4敗 巨人(野村克也・選手兼任監督)
パ・リーグでは西鉄ライオンズと覇権を争う強豪チームだったが、日本シリーズでは巨人に全く歯が立たなかった。NPB歴代最多勝の鶴岡一人監督にとっても「打倒巨人」は悲願となった。
1959年、38勝4敗という空前の記録を残したエース、杉浦忠を擁して初めて巨人を倒す。南海は大阪のメインストリート、御堂筋でパレードを行い、大阪のファンの祝福を受けた。
1964年には阪神に勝ってもう一度日本一になっているが、南海時代は10回日本シリーズに出場して日本一は2回だけだった。
○福岡ダイエー時代
1999年 ○4勝1敗 中日(王貞治監督)
2000年 ●2勝4敗 巨人(王貞治監督)
2003年 ○4勝3敗 阪神(王貞治監督)
1988年に南海は福岡ダイエーに買収され、本拠地を福岡に移転した。移転当時は弱かったが、10年後にリーグ初制覇、以後3回日本シリーズに進出し、2回日本一になった。
2000年は巨人の長嶋茂雄監督と、福岡ダイエー王貞治監督の「監督でのON対決」が話題になったが、逆転で長嶋巨人に屈した。
○福岡ソフトバンク時代
2011年 ○4勝3敗 中日(秋山幸二監督)
2014年 ○4勝1敗 阪神(秋山幸二監督)
2015年 ○4勝1敗 東京ヤクルト(工藤公康監督)
2017年 ○4勝2敗 横浜DeNA(工藤公康監督)
2005年に福岡ソフトバンクが親会社となる。以後も強豪チームだったが、CSで敗退することも多く、日本シリーズ進出は4回だけ。しかし、4回とも日本シリーズを制している。福岡ソフトバンクになってからのホークスは、無敵を誇っている。
通算成績は48勝50敗1分。今回は初めてリーグ2位から“下剋上”での日本シリーズ進出となる。
広島は古葉監督で79年、80年と連覇を達成、セはパに5連敗中
広島は、1975年に球団創設25年目で初優勝、以後8回、日本シリーズを戦っている。
1975年 ●0勝4敗2分 阪急(古葉竹識監督)
1979年 ○4勝3敗 近鉄(古葉竹識監督)
1980年 ○4勝3敗 近鉄(古葉竹識監督)
1984年 ○4勝3敗 阪急(古葉竹識監督)
1986年 ●3勝4敗1分 埼玉西武(阿南準郎監督)
1991年 ●3勝4敗 埼玉西武(山本浩二監督)
2016年 ●2勝4敗 北海道日本ハム(緒方孝市監督)
最初の日本シリーズは、阪急の剛腕山口高志の前に沈黙し、1勝も挙げられなかったが、1979年、80年と連覇。しかし、平成に入ってからは日本一にはなっていない。
通算20勝25敗3分。セ・リーグは2013年以来、パ・リーグに5連敗中。広島は雪辱を期す使命も帯びる。
福岡ソフトバンク工藤監督、北海道日本ハム緒方監督ともに、日本シリーズの出場経験がある。平成最後の日本シリーズは、どちらに軍配が上がるだろうか?
(広尾晃 / Koh Hiroo)
記事提供: