ついに開幕、日本シリーズ! 過去対戦は福岡ソフトバンク有利 広島に勝機は?

Full-Count 広尾晃

2018.10.27(土) 09:08

広島・緒方監督(左)と福岡ソフトバンク・工藤監督※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
広島・緒方監督(左)と福岡ソフトバンク・工藤監督※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

日本シリーズでは初対戦の両チーム

 ドラフトが終われば、いよいよ日本シリーズ。今年は福岡ソフトバンクと広島が対決するが、意外なことに初顔合わせだ。

 広島は9回リーグ優勝し、今回も含め日本シリーズに8回出場。福岡ソフトバンクは南海、福岡ダイエー時代も含めて20回リーグ優勝し、18回日本シリーズに出場しているが、日本シリーズでの対戦は一度もない。

 2017年は福岡ソフトバンク、広島が両リーグの覇者となったが、広島が横浜DeNAの下剋上で敗退したため、対決は実現しなかった。

 2005年から始まった交流戦での対戦成績を見てみよう。

2018年(広)1勝(ソ)2勝
2017年(広)1勝(ソ)2勝
2016年(広)1勝(ソ)1勝1分
2015年(広)2勝(ソ)1勝
2014年(広)0勝(ソ)4勝
2013年(広)2勝(ソ)2勝
2012年(広)0勝(ソ)3勝1分
2011年(広)0勝(ソ)3勝1分
2010年(広)2勝(ソ)2勝
2009年(広)1勝(ソ)3勝
2008年(広)1勝(ソ)3勝
2007年(広)1勝(ソ)3勝
2006年(広)3勝(ソ)3勝
2005年(広)2勝(ソ)3勝1分
通算(広)17勝(ソ)35勝4分

 福岡ソフトバンクが大きく勝ち越している。この数字だけを見れば、福岡ソフトバンクの圧倒的有利ということになる。

鷹打線は広島投手陣に苦手意識なし!? 広島はタナキクが低迷

 今年の主力選手の過去3年の対戦成績を見ていこう。

○福岡ソフトバンク打者の対広島戦成績(2016-2018)※デスパイネは千葉ロッテ時代含む

松田宣浩
9試33打7安2本4点2盗 打率.212
中村晃
9試32打3安0本1点0盗 打率.094
柳田悠岐
9試30打9安1本1点2盗 打率.300
今宮健太
6試26打9安1本1点2盗 打率.346
上林誠知
7試23打5安1本2点3盗 打率.217
デスパイネ
6試22打9安4本8点1盗 打率.409
甲斐拓也
6試15打5安0本2点0盗 打率.333
内川聖一
5試14打5安2本2点3盗 打率.357
高田知季
4試10打2安1本3点0盗 打率.200
川島慶三
4試7打1安1本2点0盗 打率.143
福田秀平
5試6打3安0本2点1盗 打率.500
長谷川勇也
6試6打2安0本1点0盗 打率.333
高谷裕亮
3試1打1安0本0点0盗 打率1.000

 中村晃の打率が低いが、他の主力選手は広島への苦手意識はない。デスパイネは千葉ロッテ時代から広島戦が得意だった。注目すべきは内川聖一、長谷川勇也のベテラン勢。シーズン中は出場機会が少なかったが、このところ調子が上がっている。しかも広島戦で実績を残している。グラシアルは広島戦には出場していない。

○広島打者の対福岡ソフトバンク戦成績(2016-2018)

田中広輔
9試35打7安0本1点1盗 打率.200
菊池涼介
9試32打7安1本3点1盗 打率.219
丸佳浩
9試32打11安4本6点3盗 打率.344
松山竜平
9試27打10安0本2点2盗 打率.370
鈴木誠也
7試24打9安2本3点0盗 打率.375
新井貴浩
5試19打2安0本0点0盗 打率.105
安部友裕
6試17打2安0本0点0盗 打率.118
西川龍馬
6試15打5安0本0点0盗 打率.333
野間峻祥
5試13打1安0本2点0盗 打率.077
會澤翼
7試11打1安0本0点0盗 打率.091
バティスタ
4試9打3安1本3点0盗 打率.333
下水流昂
2試1打1安0本1点0盗 打率1.000

 丸、松山、鈴木と中軸はよく打っているが、田中、菊池という1、2番がやや苦手にしている。バティスタは対戦成績は少ないが1本塁打3打点。意外性のある打者だけにポイントになるかもしれない。

ホークス投手陣は軒並み好投、広島は中崎が無失点

○福岡ソフトバンク投手の対広島戦成績(2016-2018)

バンデンハーク
3試2勝0負0S 19.0回 防御率2.37
千賀滉大
2試1勝0敗0S 10.0回 防御率0.90
武田翔太
1試0勝0敗0S 7.0回 防御率1.29
松本裕樹
1試0勝0敗0S 7.0回 防御率2.57
東浜巨
1試1勝0敗0S 6.2回 防御率1.35
中田賢一
1試0勝1敗0S 5.1回 防御率13.50
森唯斗
3試0勝0敗0S 3.2回 防御率0.00
加治屋蓮
1試0勝0敗0S 1.0回 防御率0.00

 年に3試合しかないので対戦数は少ないが、バンデンハーク、千賀、武田など先発陣は数字を残している。クローザーの森もセーブこそ残していないが失点していない。ミランダ、石川柊太らは対戦していない。

○広島投手の対福岡ソフトバンク戦成績(2016-2018)

九里亜蓮
3試1勝0敗0S 14.1回 防御率3.14
ジョンソン
2試0勝1敗0S 11.0回 防御率4.91
野村祐輔
1試0勝0敗0S 7.0回 防御率2.57
岡田明丈
1試0勝0敗0S 5.0回 防御率1.80
今村猛
4試0勝1敗1S 4.0回 防御率11.25
大瀬良大地
1試0勝1敗0S 4.0回 防御率15.75
中崎翔太
2試1勝0敗0S 3.0回 防御率0.00
ジャクソン
2試1勝0敗0S 3.0回 防御率0.00
一岡竜司
3試0勝0敗0S 3.0回 防御率3.00
中村祐太
1試0勝1敗0S 1.2回 防御率21.60
アドゥワ誠
1試0勝0敗0S 1.0回 防御率0.00

 今季最多勝の大瀬良大地は過去3年で1試合しか投げていない。九里は3試合で1勝、ジョンソンは2試合で1敗。クローザーの中崎は2試合で1勝、失点していない。フランスワは対戦していない。

 日本シリーズは短期決戦だけに「使える選手」「好調な選手」を優先的に使う必要がある。対戦成績やトータルの戦力では福岡ソフトバンクが有利となるが、ラッキーボーイが登場すれば状況は変わる。

 今年はどんなドラマを見ることができるだろうか?

(広尾晃 / Koh Hiroo)

記事提供:Full-Count

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