真剣勝負の増加はファンに好評 観客動員率90%超え、経営にも寄与するCS

Full-Count 広尾晃

2018.10.23(火) 10:52

福岡ソフトバンクが“下剋上”で日本S進出を決めた※写真提供:Full-Count(写真:福谷佑介)
福岡ソフトバンクが“下剋上”で日本S進出を決めた※写真提供:Full-Count(写真:福谷佑介)

12年中10年のCSが90%超える動員率

 2018年のクライマックスシリーズは13試合が行われ、42万1798人の観客を動員した。

 今季は、福岡ヤフオクドーム、メットライフドーム、神宮球場、マツダスタジアムの4つの球場で行われたが、動員率は94.0%、ほぼ満員の盛況だった。

◯2007年のクライマックスシリーズ開始からの観客動員(%は動員率)

2007年 51万2589人(13試合 98.5%)
2008年 45万8143人(14試合 88.2%)
2009年 48万2409人(13試合 93.0%)
2010年 52万3909人(14試合 94.3%)
2011年 47万6530人(13試合 95.0%)
2012年 53万1378人(15試合 85.0%)
2013年 42万8044人(12試合 95.9%)
2014年 57万3316人(15試合 92.8%)
2015年 49万4654人(13試合 96.5%)
2016年 52万1427人(14試合 93.3%)
2017年 57万2113人(16試合 95.2%)
2018年 42万1798人(13試合 94.0%)

 今季は、12年間のCSで最も少ない動員数となったが、試合数が少なかった上に、マツダスタジアム、メットライフドーム、神宮球場、ヤフオクドームがいずれも3万人台のキャパシティだったためだ。

 かつては80%台の動員率の試合もあったが、最近は90%を超える動員率。人気も高く、クライマックスシリーズは、ポストシーズンの一大イベントとして定着したといえるだろう。

CSのホーム開催は球団経営的に大きな収益増加の要因

 12年間の総観客動員数は、185試合で599万6310人に達している。

◯球団別の総動員数(球場名は現在名)

巨人 134万2912人(30試合97.3% 東京ドーム)
福岡ソフトバンク 98万7578人(28試合91.4% ヤフオクドーム)
北海道日本ハム 84万1891人(22試合90.5% 札幌ドーム)
埼玉西武 63万9197人(21試合92.4% 県営大宮球場、メットライフドーム)
中日 61万4498人(17試合89.2% ナゴヤドーム)
阪神 52万1698人(12試合97.3% 甲子園、京セラドーム大阪)
広島 37万4977人(12試合94.7% マツダスタジアム)
東京ヤクルト 28万7623人(9試合96.8% 神宮球場)
東北楽天 13万9780人(6試合89.2% 楽天生命パーク宮城)
オリックス 15万6724人(5試合86.7% 京セラドーム大阪)
千葉ロッテ 8万9432人(3試合99.1% ZOZOマリンスタジアム)

 CSは、上位のチームの主催試合となる。3位チームはすべてロードとなる。2位以上になった回数が多い球団の観客動員が大きくなる。「下剋上」は、チームとしては喜ばしいことではあるが、すべてロードだから、球団としては日本シリーズまで興行収益がないこととなる。CSの興行収入は主催チームの収益となる。ペナントレースで上位に入ることは、チームの収益を考えても大きな話なのだ。

 NPBのクライマックスシリーズは、今季の埼玉西武のように優勝したチームが日本シリーズに出られないケースがあることなどから、ファンの意見も分かれているようだ。しかし、レギュラーシーズンと日本シリーズの間に10試合以上もの「真剣勝負」が行われるのは、野球ファンにとっては大きな楽しみとなっている。

 制度改革の必要はあるかもしれないが、CSは今後もポストシーズンの重要な興行として存続することだろう。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

記事提供:Full-Count

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