7回1死一、二塁から右前タイムリーを放ちCS初安打
■埼玉西武 13-5 福岡ソフトバンク(18日・メットライフ)
埼玉西武・秋山翔吾外野手に待望のシリーズ初ヒットが生まれた。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第2戦。リーグ覇者・埼玉西武は、昨夜の屈辱を晴らすかのように、打線が爆発し13-5で大勝。リードオフマンの1安打がチームに勢いをつけた。
本拠地メットライフドームに待ちに待った快音が響いた。7回1死一、二塁。カウント1-2と追い込まれながら外角のフォークボールをうまく拾い右前適時打。試合を決定づける10得点目を挙げた。
「楽な場面で打たせてもらった。チームにそういう機会、そういう展開で回してもらったというのは、ありがたかったです」
秋山はチャンスを作ってくれたナインに感謝の言葉を並べた。初戦はノーヒットに終わり「周りは打っていたので『出遅れた』というプレッシャーはありました。俺だけゼロが3つ並ぶ(.000)なって」と、自嘲気味に語っていた。
浅村からは「秋山さん、緊張してるんですか?」といじられる
この日も1、2打席は凡退。迎えた第3打席で、福岡ソフトバンク2番手・大竹から四球を選びCS初出塁を果たし「四球で塁に出れたので、ほっとした部分があった。その分(第5打席の)ヒットにつながったと思います」と初安打の呼び水になったという。そしてナインの“いじり”にも感謝した。
「いじってくれるだけで全然マシでした腫れ物に触るような感じだと、空気が重くなるじゃないですか。そんな中、浅村が『秋山さん、緊張してるんですか?』とか『秋山さん、しっかりやってくださいよ』って。実際、自分は全然普通だったんですけど。言える空気であるべきだと思いますね、チームとして。浅村には今日1日、かまってもらいました」
敗戦を引きずらないチームの雰囲気、そして常に明るいナインたちが埼玉西武の強さの秘訣ともいえる。「プレッシャーのかかる場面での1本ではなかったが、ヒットが出れば気が楽になるものなので、明日の試合にスッと入っていける可能性はある」と秋山。勝てばCS突破に王手がかかる今日の試合でどんな打撃を見せてくれるのか。解き放たれた稀代のヒットメーカーのバッティングに注目だ。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)
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